韓国ドラマやK-POPにハマって「韓国語を勉強してみたい!」という気持ちが芽生えたものの、いざ始めようと思っても、何から手をつけたらいいのかわからずに足踏みしてしまう人も多いのではないでしょうか。
私もかつて、韓国に興味をもち、学習を始めた一人でした。
2001年にワーホリで韓国へ渡り、気づけば韓国語学習歴は25年になりました。
驚くほど長い期間ですが、この25年間、ずっとストイックに勉強してきたわけではありません。
韓国の語学堂にも通いましたが、成績はいつもクラスの下の方でした。
そんな私が、今ではニュージーランドにある韓国の会社で、たった一人の外国人として韓国人に囲まれて仕事をしています。
なぜ語学堂の成績もよくなかった私が韓国語を上達させられたのか?その答えはシンプルです。
「学習することをやめなかった」
たったこれだけです。
少しずつでも続けてさえいれば、韓国語は必ずできるようになります。
なぜなら、韓国語は日本人にとって非常に学びやすい言語だからです。
学ぶことをやめなかったおかげで、韓国人の妻にも出会いました。今はバイリンガル(トリリンガル??)として育っている子どもと一緒に、また韓国語を学び直しています。
この記事では、私の実体験を基に、韓国語学習を楽しく続けるための具体的なステップを詳しくご紹介します。
学習の始め方と流れ
いざ、学習を始めようと思っても何から手をつけていいのかわからない。
そんな人は多いと思います。
結論からお話しますと、まったくの初心者が最初にやるべき学習の流れは
1.ハングルを覚える
2.フレーズを声に出して読む
3.そのフレーズを音声で聞く
4.そのフレーズに出てきた単語を覚える
この4つだけです。
1の「ハングルを覚える」は完璧でなくてもいいので、早く2の「フレーズを音声で聞く」に移行しましょう。
それからは、2から4の繰り返しです。
ハングルを覚える事は最初の壁になるので少し頑張る必要がありますが、コツさえつかめばすぐに覚えられます。
ステップ1:自分に合った「テキスト」を選ぶ
独学であっても、学習の土台となるテキストは必ず用意しましょう。
今はインターネット上に様々な学習コンテンツがありますが、最初の一歩は入門向けのテキストを使うのが一番効率的です。
なぜなら、市販のテキストは学習順序がしっかりと考えられて作られています。
インターネット上のコンテンツから自分に合ったものを順序よく探していくのは至難の業です。
結局何をやったらいいのかわからなくなり、学習が滞ってしまうこともあります。
失敗しないテキストの選び方
自分の感性で選ぶ
初級で学ぶ内容は、どのテキストも大体同じです。
だからこそ、内容よりも「自分の感性に合うか」が最も重要な要素になります。
文字ばかりで堅苦しいと感じたり、白黒だと勉強する気が起きなかったりするかもしれません。
書店に並んでいるテキストを実際に手に取って、パラパラと開いてみてください。
カラフルな方がいい、イラストが多い方がわかりやすい、など、自分が「これなら続けられそう」と思えるものを購入しましょう。
「音声付き」は必須
語学学習は耳から入る情報が非常に重要です。
そもそも読み方の音がわからなければ、正確に読むこともできません。
必ず音声データやCDが付いているテキストを選んでください。
もし、どのテキストを選べばいいか迷うなら、個人的に多くの語学スクールでも採用されている、「できる韓国語」シリーズと「基礎から学ぶ韓国語講座」がおすすめです。
「できる韓国語」
私が韓国語を学び始めた頃は、書店に韓国語のテキストはほとんど見当たりませんでした。
そんなこともあり、書店に韓国語のテキストがたくさん並ぶようになってからは、いつも通う書店に新しいテキストを見かけると、必ず手に取って中を確認するのが習慣になっていました。
そんな習慣の中で、何気なく手に取ったこの「できる韓国語」を初めて見た時は、すごくいいテキストがでてきたな、と思ったのを覚えています。
非常に体系的にまとまっているうえに、視覚的にもとても見やすいので、初心者が抵抗なく学習を始めることができる1冊だと思います。
ワークブックも用意されていて、シリーズで学習を進められるため、次のステップにもスムーズに移行できます。
25年前の選択肢が少なかった時代にこんなテキストがあれば…と心から思います。
「基礎から学ぶ韓国語講座」
こちらは、韓国語のテキストとして昔から有名な1冊です。
スクールなどでもよく使われているテキストですので、信頼度の高いテキストであることがわかります。
韓国人で、元韓国語講師であった私の妻も、授業ではこの「基礎から学ぶ韓国語講座」を使用していました。
説明が明瞭で、授業の教材としてもとても使いやすいと言っていました。
もちろん、こちらも視覚的にとても見やすい構成になっています。
個人的には「できる韓国語」は手軽に始めやすい、「基礎から学ぶ韓国語講座」は最初からしっかりと学びたい、というタイプに分かれるかなと思います。
特化テキスト
ハングルを覚えることに特化したテキストも便利ですが、ハングルを覚えてしまえば二度と開くことはありません。
それならば、文法まで一緒になったテキストを選んだ方がお得です。
ただし、特化テキストはより頭に入りやすいように工夫されているため、覚えやすさという点では優れています。
どちらを選ぶかは、自分の学習スタイルに合わせて決めてください。
ステップ2:韓国語の文字「ハングル」を覚える
韓国語学習の最初の壁は、記号のように見えるハングル文字かもしれません。
これを見て、「難しそう…」と挫折してしまう人も多いでしょう。
しかし、心配はいりません。
ハングルの文字数の組み合わせはは数千にも及ぶので、覚える文字数も相当な量であると思われがちですが、実は、基本的な文字はたったの24個しかありません。
残りはすべて、この24個の文字を組み合わせることで成り立っている、とても合理的な文字なんです。
24個という数は、アルファベットの26個よりも少ないくらいです。
また、日本語はひらがな、カタカナ、そして膨大な数の漢字を覚える必要があります。
私の妻をはじめとして、日本語を学ぶ韓国人の友人たちは皆、「日本語は覚えることが多すぎる」と口を揃えて言います。
それに比べれば、ハングルを覚える量は圧倒的に少ないのです。
また、語順も日本語と一緒なので、英語や中国語のように頭の中を他言語学習の為にリセットする必要もありません。
文字を覚えて、単語をいうことができれば、日本語の語順のままで単語を並べていくだけでも、ある程度の意思疎通が可能です。
効率よくハングルを覚えるコツ
一気に覚えてしまう
ハングルはなるべく短期間で、一気に覚えてしまいましょう。
完璧を目指す必要はありません。完璧を求めると挫折の原因になります。
まずは一通り終えることを目標にしてください。
完璧でなくてもOK
ハングルを完全に覚えきれなくても、次のステップに進んで大丈夫です。
どうせ一度覚えたことはすぐに忘れてしまうものですから、学習は復習をしながら進めていけばいいのです。
この「完璧を求めない」という考え方が、長く続けるための重要なコツになります。
TOPIK6級合格まで10年近くかかった私が言うので、間違いありません。

ステップ3:フレーズを「声に出して」覚える
ハングルを一通り終えたら、文法学習に入ります。
ここからは、出てくるフレーズや単語をしっかりと声に出して音読することが非常に大切です。
韓国語は口の動きや舌の使い方が日本語とは大きく異なります。
音読をしてみると、普段使わない口の筋肉が動いているのがよくわかるでしょう。
この筋肉や舌の使い方に慣れることが、スムーズに話すための第一歩です。
最初は疲れてしまうかもしれませんが、音読を繰り返すことで徐々に慣れていきます。
音読は、耳を鍛えることにもつながります。
付属の音声と自分の発音を聞き比べる機会にもなるため、より正確な発音を身につけることができます。
最初にお話したように、音読→聞き取りを何度も繰り返しましょう。
効果的な音読・聞き取り練習法
音読→聞き取りを繰り返す
テキストの各章は、対話形式のスクリプトになっていることが多いです。
まずは音読でフレーズを口に慣れさせてから、音声を聞き取ってみましょう。
聞き取れないフレーズこそ音読
まったく知らないフレーズは、耳に入っても聞き取れません。
しかし、一度でも音読して口にしたことがあるフレーズは、聞き取れるようになるはずです。
最初は少し聞こえただけでも十分です。
完璧を求めず、聞こえる範囲が少しずつ増えていくのを実感しながら進めてください。
単語はフレーズごと覚える
単語を単体で覚えるのではなく、その単語が出てきたフレーズごと覚えるようにしましょう。
そうすることで、似たようなパッチム(子音)の音の違いなどを自然に記憶することができますし、その単語を使う時の背景まで一緒に記憶できるので、単語がとっさにでてきやすくなります。
単語帳(単語に特化したテキスト)は、学習の初期段階では必要ありません。
まずはテキストに出てくる単語を覚えるだけで十分です。
自分で気になって調べた単語は、自分だけの単語帳に書き留めておくと、後々の学習に大いに役立ちます。

学習を継続するための3つの注意点
1. カタカナを使わない
正確にいうと、ふりがなのことです。
韓国語には、日本語にはない独特の音がたくさんあります。
カタカナで読み方を振ってしまうと、実際の発音とは大きく異なり、ネイティブには通じないことがよくあります。
また、最初に間違った発音を覚えてしまうと、後で修正するのが非常に大変です。
テキストにカタカナで読み仮名が振ってある場合は、早い段階でペンで塗りつぶすなどして、見えないようにすることをおすすめします。
2. 常に声に出して発音する
例文やフレーズは、とにかく声に出して音読しましょう。
韓国語を話し慣れていないうちは、口が思うように動きません。
どんどん口を動かして練習することで、口の筋肉が鍛えられ、単語やフレーズをスムーズに口にできるようになります。
また、音読の習慣は聞き取り力の向上にもつながります。
耳にしたことがない単語は頭に入ってきませんが、音読で一度でも口に出した単語は、耳に入りやすくなります。
3. テキストは繰り返し学習する
語学学習は反復練習が命です。
せっかく覚えたことも、人間はすぐに忘れてしまうものです。
テキストは最低でも3周は繰り返して学習しましょう。
一つひとつの章に時間をかけすぎず、「6割程度の理解で先に進む」のが学習を継続するコツです。
最初の段階で完璧に理解しようとすると、挫折しやすくなってしまいます。
6割程度の理解で先に進み、2周目、3周目で理解を深めていく方が、結果的に学習が定着しやすいのです。
独学が難しいなら他の学習法も検討しよう
「独学だと途中でサボってしまいそう…」という方もいるでしょう。
そんな方には、他の学習法もおすすめです。
NHKラジオ講座
毎日15分の放送なので、無理なく続けられます。
アプリを使えばいつでも再放送を聞けるので、忙しい人でも大丈夫です。
NHKの語学講座は歴史が長く、内容が非常に濃密です。
半年間しっかり復習すれば、ゼロから始めた人でもかなりの力がつきます。
私自身も、25年前に初めて韓国語を勉強した方法はNHKのハングル講座でした。
半年間やりきった後、ワーホリで韓国へ渡りましたが、学校で10年学んだ英語よりも、ずっと使える語学になっていたことに驚きました。
デメリットとしては、講座の開始時期が決まっているため、自分のやる気のタイミングと合わないことや、毎月テキスト代がかかることが挙げられます。
しかし、授業料と考えれば、これほど安価で質の高い講座は他にないでしょう。
語学スクールを利用する
韓国語は独学でも十分に話せるレベルにはなれますが、最初からスクールを利用するのも良い方法です。
特に発音は、独学で間違った癖をつけてしまうと、後で修正するのが大変です。
最初からプロにしっかりと教わることは、長く続けるつもりなら良い選択のひとつです。
一人では続ける自信がないという場合も、グループレッスンなどで一緒に学ぶ仲間がいることは、大きなモチベーションになります。
現在は大手スクールから個人の教室、オンラインスクールまで選択肢が豊富です。
無料の体験レッスンを利用して、一度飛び込んでみるのもいいでしょう。
私も25年前に勉強を始めた頃は、韓国語を学んでいる人がいるのだろうかと疑問に思うほどでした。
そんな時、コミュニティセンターで行われていた韓国語講座に数回だけ参加したことがありますが、そこで同じように学ぶ仲間がいることを知っただけで、学習意欲の継続に大きなメリットを感じました。
当時は日韓ワールドカップが開催される直前でしたので、それに合わせてボランティアとして活動する為に、学び始めたという人や、英語圏の留学先で韓国人と知り合い、韓国語にも興味をもったからなど、学習理由に様々な背景があり、私も刺激を受けたことを覚えています。
まとめ:韓国語学習は楽しみながら続けよう
韓国語は、文法が日本語とよく似ているため、私たち日本人にとって非常に学びやすい言語です。
これは韓国人にとっても同じで、そのため、昔から日本語を学ぶ韓国人はたくさんいます。
もちろん努力は必要ですが、好きなドラマや映画を見たり、K-POPを聞いたりしながら、ゆっくりと楽しく学習を続ければ、必ず話せるようになります。
日本人にとって、これほど入り口が優しく、学べば学ぶほど楽しくなる語学は他にないと思います。
25年前に私が韓国へワーホリに行くと言った時、多くの人が「韓国がどこにあるのかもわからない」という状況でした。
それが今や、韓国の文化が世界中でブームになっている。この状況は、当時の私からすれば信じられないくらいです。
頑張りすぎず、ゆるく、しかし時には厳しく、楽しく韓国語を学び続けてください。
継続さえしていれば、韓国語は必ず話せるようになります。
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