これまでの記事で、ニュージーランドの幼児期から中等教育までの道のりを見てきました。
遊びから始まる学び、個性を尊重する初等教育、そしてNCEAという柔軟な評価システムを持つ中等教育。
これらの段階は、学習者が将来、専門的な学びへと進むための強固な土台を築く大切なステップです。


さて、ではこの先の進路にはどんな選択肢があるのでしょうか。
大学だけが道ではないと聞きますが、具体的にはどのようなルートがあるのでしょうか。
この記事ではニュージーランドの高等教育の全体像を包括的に解説します。
大学だけでなく、専門学校や職業訓練といった多様な進路、そしてそれぞれの選択肢が個人のキャリアにどう繋がっていくのか、詳しく掘り下げていきます。
高等教育機関の多様な選択肢:個人の「学びたい」が見つかる場所
ニュージーランドの高等教育は、学習者の目的やキャリア目標に合わせて、多岐にわたる選択肢を提供しています。
これは、一人ひとりの個性と才能を伸ばすというニュージーランドの教育理念が、高等教育の段階でも一貫して貫かれているためです。大きく分けて、以下の3つの主要なタイプがあります。
大学(Universities):学術研究と専門知識の探求
ニュージーランドには、すべてが国立である8つの大学があり、それぞれが独自の学術分野と教育に強みを持っています。
これらの大学は、伝統的に学術研究と理論的な知識の探求に重点を置いており、幅広い分野で学士号(Bachelor’s degree)、修士号(Master’s degree)、博士号(PhD)といった高等学位を提供しています。
大学は、科学者、医師、弁護士、建築家といった専門職を目指したり、特定の分野を深く研究したいと考えたりする場合に最適な選択肢です。
各大学は特定の分野で国内トップクラスの評価を受けており、質の高い研究と教育が保証されています。
オークランド大学(University of Auckland):
国内最大規模の総合大学で、多様な学術分野で国際的な評価が高いです。特にビジネス、工学、医学、法学が有名で、オークランドの中心部に位置するそのキャンパスは、活気あふれる都市生活と密接に結びついています。
オタゴ大学(University of Otago):
国内最古の大学として知られ、ダニーデンの歴史的な街並みに溶け込んでいます。医学、歯学、薬学といった健康科学分野で特に高い評価を得ており、研究レベルの高さは世界的に認められています。
カンタベリー大学(University of Canterbury):
クライストチャーチに位置する、イノベーションと研究を重視する大学です。工学、森林学、教育学が強く、特に南極研究の拠点としても有名です。
ヴィクトリア大学ウェリントン(Victoria University of Wellington):
首都ウェリントンに位置し、法学、政治学、公共政策といった分野で高い評価を得ています。また、デザイン、建築、映画学も有名で、創造的な分野に強みを持っています。
マッセイ大学(Massey University):
複数のキャンパスを持ち、ニュージーランド各地に拠点を構えるユニークな大学です。獣医学、農業科学、航空学、デザイン、教育学など、専門性の高い分野で強みを持っています。遠隔教育のパイオニアとしても知られています。
ワイカト大学(University of Waikato):
ハミルトンに位置し、教育学、経営学、コンピューターサイエンス、そしてニュージーランドの先住民文化であるマオリ学で定評があります。学際的なアプローチを重視し、学生一人ひとりのニーズに合わせた柔軟な学びを提供しています。
リンカーン大学(Lincoln University):
クライストチャーチ近郊に位置する、ニュージーランド最古の農業大学です。農業、園芸、土地管理、環境科学、ワイン学などに特化し、この分野で国内トップクラスの教育と研究を行っています。
オークランド工科大学(Auckland University of Technology – AUT):
ニュージーランドで最も新しい大学の一つですが、実践的な教育と産業界との連携を重視する姿勢で急速に評価を高めています。ビジネス、デザイン、健康科学、工学技術などが強く、職業に直結する学びを提供しています。
ポリテクニック(Polytechnics)/ 国立技術専門学校:実践的スキルと職業訓練
以前は独立した複数のポリテクニックがありましたが、現在はTe Pūkenga – New Zealand Institute of Skills and Technologyという一つの組織に統合されています。
この改革は、ニュージーランド全土で質の高い職業教育・訓練を提供するためのものです。
Te Pūkengaの各キャンパスでは、実践的なスキルと職業訓練に重点を置いた教育が行われます。
「大学の座学よりも、手を動かす学びが好き」「早く社会に出て、特定の技術を活かして働きたい」という方にとっては、非常に良い選択肢です。
Te Pūkengaは、以下の表にあるような多岐にわたる分野で、産業界のニーズに合わせた資格を提供しています。
分野 | 提供される資格の例 | 学習内容の具体例 |
IT・テクノロジー | Certificate, Diploma in IT | ソフトウェア開発、サイバーセキュリティ、 ネットワーク管理 |
工学・建設 | Certificate, Diploma in Engineering | 溶接、電気工事、機械工学、 建築技術 |
ホスピタリティ | Certificate, Diploma in Hospitality Management | 調理、ホテル運営、イベント企画、観光業 |
健康・福祉 | Diploma in Nursing, Certificate in Health Assistance | 看護師(登録ナース)、介護、 理学療法アシスタント |
ビジネス | Diploma in Business, Certificate in Accounting | 経営管理、会計、マーケティング、人事 |
アート&デザイン | Certificate, Diploma in Graphic Design | グラフィックデザイン、 ファッション、Webデザイン |
農業・園芸 | Diploma in Agriculture, Certificate in Horticulture | 酪農、畜産、園芸管理、ワイン造り |
多くのコースでインターンシップや実習がカリキュラムに組み込まれており、卒業後すぐに就職できる即戦力を養うことができます。
私立専門学校(Private Training Establishments – PTEs)
ニュージーランドには、NZQA(New Zealand Qualifications Authority)に認可された私立の専門学校が数多く存在します。
これらは、特定の分野に特化した専門性の高いコースを提供しており、卒業後すぐに特定の職業に就くことを目指す学生に人気です。
例えば、料理学校、映画制作や航空技術の専門学校など、ニッチな分野に強みを持つ学校が多いのが特徴です。
少人数制で、講師陣は業界経験豊富なプロフェッショナルが中心であり、実践的な授業やインターンシップを通じて、即戦力となるスキルを養うことができます。
コース期間も比較的短いものから、学士号レベルまで多様です。
入学システムと要件:高等教育への道
高等教育機関に入学するためには、中等教育での学習成果が問われます。
ここで重要となるのが、NCEA(National Certificate of Educational Achievement)という国家資格です。
大学入学の主な要件
大学に進学するためには、以下の要件をすべて満たす必要があります。
1.NCEA Level 3の取得:
原則として、高校最終学年(Year 13)でNCEA Level 3を修得していることが必須です。
これは、高校での学習を十分に終えたことを示す最も基本的な証明となります。
2.University Entrance (UE) の要件を満たすこと:
NCEA Level 3を取得しているだけでは不十分で、大学進学に特化した特定の条件を満たさなければなりません。
この要件は、高等教育で成功するために必要なアカデミックなスキルが備わっているかを評価するものです。
- NCEA Level 3の科目から42単位以上:
大学が「Approved Subjects(大学進学に認められる科目)」と定めたリストの中から、3科目以上を選び、それぞれ14単位以上(合計で42単位以上)を「Achieved」以上の評価で取得する必要があります。
Approved Subjectsには、例えば、英語、数学、理科、歴史といった主要科目が含まれます。
- Literacy(読み書き能力)とNumeracy(計算能力)の要件:
それぞれに必要な単位数を取得していることが求められます。
3.特定の学部・コースの追加要件:
多くの専門性の高い学部では、上記に加えて独自の入学要件が設けられています。
- 医学部では、特定の理系科目で非常に高い成績が求められるほか、面接や適性試験が課される場合があります。
- デザイン学部や建築学部では、過去の作品やプロジェクトをまとめたポートフォリオの提出が必須です。
- 音楽や演劇の学部では、オーディションが実施されます。
ポリテクニック・専門学校入学の主な要件
大学以外の機関は、より実践的なスキルを重視するため、入学要件も柔軟です。
ここで登場するのが、「ディプロマ」や「サーティフィケート」といった、大学の学位とは異なる種類の資格です。
・ディプロマ(Diploma)レベルのコースとは?
「ディプロマ」は、特定の専門分野で働くために必要な知識や技術を学ぶ、1〜2年間のコースです。大学の3〜4年間の学士課程より短く、より実践的な内容を効率的に学べます。
言ってみれば、「特定の専門職に就くための、大学よりも実践的な資格」です。
・サーティフィケート(Certificate)レベルのコースとは?
「サーティフィケート」は、ディプロマよりも短期間(半年〜1年)で取得できる、特定の技能や知識の入門的な資格です。これは、より高度なコースに進むための準備段階として選ばれることもあります。
これらのコースへの入学要件は、以下のようになっています。
取得資格 | 入学に必要なNCEAのレベル | 簡潔な説明 | ||||||||||
ディプロマ(Diploma) | NCEA Level 2の取得 | 高校2年生(Year 12)で学ぶ内容を修了した、基本的な学力があることを示します。 多くのディプロマコースは、特定の専門職に必要なスキルを身につけるためのものです。 | ||||||||||
サーティフィケート(Certificate) | NCEA Level 1の取得 | 高校1年生(Year 11)で学ぶ内容を修了した、基礎的な学力があることを示します。 |
このように、どの道を選ぶかによって、高校でどのレベルのNCEAを目指すかが変わってきます。
大学を志望する場合はNCEA Level 3まで、ポリテクニックや専門学校で特定の技術を学びたい場合はNCEA Level 2の取得を目標にすると、スムーズに進路選択を進めることができます。
留学生向けの入学要件
留学生がニュージーランドの高等教育機関に入学する場合、NCEAの代わりに、母国での高校卒業資格や大学入学資格、そして英語力の証明が求められます。
- 英語力の証明:
ニュージーランドの教育機関は英語で授業が行われるため、留学生は十分な英語力があることを証明しなければなりません。
- IELTS(International English Language Testing System):
最も広く受け入れられている英語能力試験です。
大学の学士課程では通常、Overall Band 6.0~6.5が求められます。大学院課程ではさらに高いスコアが必要となる場合があります。 - TOEFL iBT(Test of English as a Foreign Language internet-Based Test):
IELTSと同様に広く受け入れられています。 - 英語パスウェイプログラム:
必要な英語力に満たない場合でも、多くの大学や専門学校が提携する語学学校で、大学進学準備のための英語パスウェイプログラムを提供しています。
このプログラムを修了すれば、改めて公式な英語試験を受けずに、提携する高等教育機関に進学できる場合があります。
- IELTS(International English Language Testing System):
高等教育で何が学べるのか?:多様な学習体験
ニュージーランドの高等教育機関は、学生が専門知識を深めるだけでなく、批判的思考力、問題解決能力、コミュニケーション能力といった、将来社会で活躍するために不可欠なスキルを養うための環境を提供しています。
学士課程(Bachelor’s Degree)の柔軟な学び
通常3年間で修了する学士課程は、特定の学問分野における基礎から応用までを体系的に学びます。
ニュージーランドの大学教育は、学生の主体性を尊重し、以下のような柔軟な学びの機会を提供します。
- 専攻(Major)と副専攻(Minor)の選択:
多くの大学では、学生は複数の専攻や副専攻を自由に組み合わせることができます。
例えば、「ビジネス学を主専攻としながら、心理学や環境学を副専攻として学ぶ」といったことが可能です。
これにより、幅広い知識と多様な視点を身につけることができ、現代社会の複雑な問題に対応できる能力を育みます。
- 学際的なプログラム:
複数の学問分野を横断する学際的なプログラムも充実しており、文系と理系の枠を超えた学びが可能です。
- 実践的なアプローチ:
座学だけでなく、実習、フィールドワーク、プロジェクトワーク、インターンシップなどを通じて、実践的なスキルを習得する機会が多く提供されます。
大学院課程(Postgraduate Study):専門性の深化と研究
学士号取得後、さらに専門知識を深めたい学生は、大学院課程へと進みます。
大学院の学びは、より高度で専門的な知識と研究能力を養うことを目的としています。
大学院ディプロマ(Postgraduate Diploma / Graduate Diploma):
特定の分野での専門性を高めるための1年間のコースです。
修士課程(Master’s Degree):
通常1年半から2年間。特定の専門分野における高度な知識と研究能力を養います。
博士課程(PhD):
通常3年間以上。特定の研究テーマに関する独創的な研究を行い、学術界に貢献することを目指します。
ポリテクニック・専門学校での実践的な学習体験
Te Pūkengaの各キャンパスや私立専門学校では、実践的で業界に直結した学びが中心となります。
- Hands-on Training(実践的な訓練):
講義だけでなく、ワークショップ、ラボでの実習、シミュレーション、実際の職場環境に近い形でのトレーニングが重視されます。
- 業界との連携:
多くのコースが、地元の企業や産業界と密接に連携しており、カリキュラムは業界の最新ニーズに合わせて常に更新されます。
- 少人数制クラス:
大学に比べて少人数制のクラスが多く、講師からきめ細やかな指導や個別フィードバックを受けやすい環境です。
学費と生活費
高等教育には費用がかかりますが、計画的に準備することで、質の高い学びを実現することができます。
学費とサポート
ニュージーランドの市民権・永住権を持つ学生の学費の目安は以下のようになります。。
機関 | 年間学費の目安 |
大学 | NZD 6,000~10,000程度 |
ポリテクニック(Te Pūkenga) | NZD 4,000~8,000程度 |
また、ニュージーランド政府は、高等教育を受ける学生を支援するためのStudent LoanやStudent Allowanceといった制度を提供しています。
Student Loanは無利子で学費や生活費を借りられる制度で、Student Allowanceは親の所得や学生自身の状況に応じて返済不要な生活費の支援を受けられる制度です。
Student Loan
ニュージーランドでは、「若者が教育を受けるのは社会全体の投資」という考えのもと、低負担・無利子で利用できるStudent Loanという仕組みがあります。
このStudent Loanは、国が教育を支援するために学生に授業料や生活費を貸す制度で、国内に住んでいれば無利子で利用でき、収入が一定額を超えると自動的に返済が始まります。
日本の奨学金は多くが貸し付け型で、卒業後すぐに返済が始まり、利子がつくものもあり、借金という意識が強く、利用に慎重になりがちですが、ニュージーランドでは、大学進学者の多くがこの制度を利用しており、社会的に当たり前の制度という認識があります。
借りられる内容は
- 授業料(Tuition Fees)
- 生活費(Living Costs):上限あり、週払い
- コース関連費(Course-related Costs):教科書、道具、交通などに使える
となっており、返済は卒業後、年収が一定額(2025年現在は約NZD 24,000代)を超えると、自動で給料から返済されます(IRD=国税庁が回収)。
つまり、ニュージーランドのStudent Loanは、「国が教育を支援するために学生に貸す無利子の制度」で、卒業後に収入に応じて返していく仕組みです。
これは教育を受けやすくする社会政策の一環でもあります。
Student Allowance
Student Allowance は、ニュージーランド政府が資格のある学生に支給する「返済不要の生活支援金」です。
学費を払うための「Student Loan(学生ローン)」とは異なり、Student Allowance は給付型で、卒業後に返す必要がありません。
また、受給額は以下の条件で変わります。
- 年齢
- 親と同居かどうか
- 親(または扶養者)の所得(24歳以下の場合)
- パートナーの有無
- 自分のアルバイトなどによる収入
例として、18歳以上で親と別居・親の収入が基準以下なら、週 NZD 280〜350程度(2025年現在)の支給があることもあります。
親(または扶養者)の所得に関してとは、親の年間合算所得に応じて「段階的に減額され、ある所得水準で打ち切られる」という2段階の制度です。
これは、親の合算所得がNZD 69,935.32(= 週あたり約 1,344.91) を超えると、Student Allowanceの金額が少しずつ減額されていき、NZD 127,701.81(親と同居)、NZD 137,187.86(親と別居)に達すると、Student Allowanceの受給資格自体がなくなる=ゼロになります。
また、個人の収入による減額としては、自分(学生)が週に NZD 276.11(税引前)を超えて稼ぐと、その超過分だけ支給額が1ドルごとに1ドル減額されます 。
留学生向けの費用とサポート
留学生は、国内学生よりも高額な学費を支払う必要がありますが、様々な奨学金やサポート制度も存在します。
機関 | 年間学費の目安(留学生) | 年間生活費の目安 |
大学 | NZD 25,000~40,000以上 | NZD 18,000~30,000程度 |
ポリテクニック(Te Pūkenga) | NZD 18,000~30,000程度 | NZD 18,000~30,000程度 |
機関や専攻によって変わってきますが、一般的に文系よりも工学や理系が高くなる傾向になっています。
またニュージーランドでは、生活費の50%程度を住居費が占めることになります。
生活費は個人の生活スタイルにもより変わってきます。
物価が高めなので、外食など余裕のある生活をすると生活費は高くなりますが、娯楽が少ないため人によっては家賃以外のお金をあまり使わないということもあります。
しかし、ニュージーランドの物価は高騰しているものが多いので、余裕をもった準備が必要です。
学生ビザと就労
学生ビザを持つ留学生は、学期中に週20時間までのパートタイム労働が許可されています。
長期休暇中はフルタイムで働くことも可能です。
ニュージーランドでは、週30時間以上の労働がフルタイム契約になるので、業種によっては20時間以下で契約できるパートタイムは重宝されます。
しかし、テスト期間中などに休みがちなので、学生は避けられることもあります。
卒業後の進路と可能性:ニュージーランドで拓くキャリア
高等教育を修了した学生には、多様なキャリアパスが待っています。
ニュージーランド国内での就職
ニュージーランドは、特定のスキルを持つ人材を歓迎する傾向が強く、卒業生は国内の労働市場で多くの機会を得ることができます。
IT、ヘルスケア(特に看護師、医師)、教育、エンジニアリング、建設、農業、観光などの分野で専門人材の需要が高いです。
留学生が国内でのキャリアを目指す場合:
ニュージーランドの高等教育機関で所定の資格を取得した留学生は、卒業後、ポストスタディ・ワークビザ(Post-Study Work Visa)を申請できる場合があります。
このビザを取得すれば、1年から3年間ニュージーランドに滞在し、就職活動を行うことができます。
これは、学んだ分野で実践的な経験を積むための貴重な機会です。
このビザで専門の業種に就職し、その後ワークビザを支援してもらえる可能性も広がります。
さらなる学習や起業
学士号取得後、さらに専門知識を深めるために、大学院課程(修士課程や博士課程)に進む道もあります。
特に、博士課程の留学生は、学費が国内学生と同額になるなど、優遇措置があります。
また、ニュージーランドは起業を奨励する国として知られており、政府や地方自治体は、スタートアップ企業を支援するプログラムを提供しています。
卒業後に独自のビジネスを立ち上げることも、魅力的な選択肢の一つです。
ニュージーランドの高等教育を成功させるために必要なこと
この地で高等教育を受けることは、単に学位や資格を取得するだけでなく、個人の成長にとって非常に貴重な経験となります。
その成功のために、以下の点を心がけることが大切です。
積極的なコミュニケーションと参加
ニュージーランドの高等教育では、受け身の学習ではなく、学生が積極的に授業に参加することが求められます。
講義中の質問、ディスカッションへの参加、グループワークでの貢献は、学びを深める上で不可欠です。
教員やクラスメートとの活発な交流を通じて、多角的な視点を養うことができます。
計画的な進路設計と情報収集
高校の段階から、将来どのような分野に進みたいかを具体的に考え、それに対応したNCEAの科目選択をすることが重要です。
また、大学やポリテクニックのオープンデー(Open Day)に足を運んだり、学校のウェブサイトでコースの詳細や入学要件、奨学金情報を確認したりするなど、継続的な情報収集が成功の鍵を握ります。
充実した学生生活とサポートの活用
ニュージーランドの高等教育機関は、学生が学業だけでなく、豊かな学生生活を送るためのサポート体制を整えています。
サポートの種類 | 具体的な内容 | |
アカデミック・サポート | ライティングセンター、スタディスキルワークショップ、 チューター制度など、学習方法や論文執筆を支援 | |
キャリアサービス | 履歴書の添削、面接練習、就職活動の戦略立案、 インターンシップの紹介など | |
学生カウンセリング | 心理的な健康やストレス管理に関するサポート | |
国際学生サポート | 留学生専用のオフィスやスタッフが、ビザ、居住、文化的な適応など、 留学生特有のニーズに対応 | |
サークル・クラブ活動 | 多様なスポーツ、趣味、文化的なクラブがあり、友人を作り、 ネットワークを広げる機会を提供 |
これらのサポートを積極的に活用することで、学業の成功だけでなく、充実した学生生活を送ることができます。
まとめと未来への展望
ニュージーランドの高等教育システムは、多様性、実践的なアプローチを重視する点で世界的に注目されています。
8つの大学が提供する学術的な探求の場から、Te Pūkengaが牽引する職業訓練、そして専門性の高い私立専門学校まで、学生は自分の興味や将来のキャリア目標に合わせて、多くの選択肢の中から最適な学びの道を選ぶことができます。
高等教育への道のりは、画一的なものではありません。
NCEA Level 3とUniversity Entranceの要件を満たして大学に進む道もあれば、NCEA Level 2の取得で、ポリテクニックや専門学校への道、あるいは就職という多様なキャリアパスが確保されます。
ニュージーランドの学びは、単に学位や資格を取得するだけでなく、国際的な視野、批判的思考力、問題解決能力、そして異文化適応能力といった、グローバル社会で真に求められるスキルを養うための強力なプラットフォームです。
大学だけが高等教育ではなく、個人の「学びたい」という意欲を受け止める、多くの受け皿があるのがニュージーランドの高等教育です。
考え方や道はひとつではないというのが、日本とは違った魅力になるのではないでしょうか。
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