ハングルを覚えるコツ|たった24文字で始められる韓国語の第一歩

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韓国語学習を始めようとテキストを開いた瞬間、最初のページに並ぶハングルの一覧表を見て、

「うわ…こんなに覚えなきゃいけないの?」

と、思わずページを閉じたくなった経験はありませんか?

せっかくのやる気が、半分ほどしぼんでしまうこともあるかもしれません。

これは韓国語初心者の多くがぶつかる、最初の壁です。

日本語で言えば、ひらがな・カタカナ・漢字の存在を初めて知った外国人が、ずらっと並んだ五十音表を見て圧倒されるのと同じ感覚です。

でも、安心してください。

韓国語の文字=ハングルは、一見たくさんの記号のように見えますが、実際に最初に覚えるべき文字は表全体のほんの一部だけ。

必要なのは、基本母音10文字と基本子音14文字、あわせてたった24文字だけなのです

そして、この24文字さえ覚えてしまえば、あとは“組み合わせ”で全てのハングルを読めるようになります。

ろは

実は、ハングルの世界への第一歩は、思ったよりもずっとコンパクトなのです。

この記事では、その24文字を無理なく覚え、短期間で「読める」自分になるためのコツを、丁寧に解説します。


目次

ハングルは組み合わせでできている

ハングルは、一見すると日本語のひらがなやカタカナのように「1文字=1音」に見えますが、その仕組みはむしろ英語のアルファベットに近いです。

子音と母音を組み合わせることで音を作り、そのまとまりを1文字として表記します。

たとえば、子音の「ㄱ(g/k)」と母音の「ㅏ(a)」を組み合わせると「가(ga)」になります。

これをアルファベットで書くと「g」と「a」で「ga」。

ローマ字と同じ感覚で組み立てられるのです。

この規則性があるため、すべての文字を個別に丸暗記する必要はありません。

基本となるパーツ(母音と子音)を覚えれば、残りは“組み合わせの応用”でどんどん読めるようになります。


最初に覚える24文字

では、その基本パーツを具体的に見ていきましょう。

ハングルの基本母音は10種類、基本子音は14種類あります。

この二つを覚えるだけで、韓国語の約6〜7割の文字を読むことが可能になります。

母音は、口の形や舌の位置の違いによって発音が変わります。

逆に子音は、息の出し方や舌の位置によって音が変わります。

表にまとめると、次のようになります。

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基本母音(10文字)
ㅏ (a)ㅑ (ya)ㅓ (eo)ㅕ(yeo)ㅗ (o)ㅛ (yo)ㅜ (u)ㅠ (yu)ㅡ (eu) ㅣ (i)
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基本子音(14文字)
ㄱ(g/k)ㄴ (n)ㄷ(d/t)ㄹ (r)ㅁ (m)ㅂ(b/p)ㅅ (s)ㅇ (ng)ㅈ (j)ㅊ (ch)ㅋ (k)ㅌ (t)ㅍ (p)ㅎ (h)

母音を覚える

母音を単独で覚えようとすると、文字の形と音が結びつきにくく、なかなか頭に定着しません。

そこで役立つのが「無音子音 ㅇ(イウン)」を頭につけて発音する方法です。

「ㅇ」は文字の頭に置かれると発音しないため、母音の発音だけが残ります。

例えば「ㅏ」に「ㅇ」をつければ「아(a)」、同じように「ㅑ」なら「야(ya)」となります。

このようにして、母音を“発音可能な形”にして覚えましょう。

母音10文字を「ㅇ」をつけた形で並べると次のようになります。

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아 (a)야 (ya)어 (eo)여(yeo)오 (o)요 (yo)우 (u)유 (yu)으 (eu) 이 (i)

声に出してリズム良く繰り返すと、数日でスラスラ言えるようになるはずです。

最初はゆっくり、口の形を鏡で確認しながら発音し、その後スピードを少しずつ上げると効果的です。

母音でポイントとなるのは『어 (eo)と오 (o)』、『여 (yeo)と요 (yo)』、『우 (u)と으 (eu)』の3つです。

この3つは日本語で表記してしまうと、「オ」「ヨ」「ウ」としか表せませんが、韓国人の耳には明確に違った音として聞こえている音ですので、きちんと違った音であるという認識をもって覚えることが必要になります。

逆に残りの他の母音、『아 (a)、야 (ya)、유 (yu)、이 (i)』は日本語の『ア、ヤ、ユ、イ』とほぼ同じ音と思って構いません。

韓国語では、唇の形舌の位置の違いが音の差を生みます。
カタカナでは同じように聞こえても、実際には口の動きがかなり異なるのです。


1. 어 (eo)오 (o) の違い

어 (eo)

・唇は丸めずに発音します。

・口を少し縦に開き、舌をやや奥に引きます。

・日本語の「お」と「あ」の中間の響きで、こもったような音になります。

・例:서울(ソウル) → [seo-ul]

오 (o)

・唇をしっかり丸めて発音します。

・舌はやや奥に置き、唇の丸みで「オー」という響きを作ります。

・日本語の「オ」に近いですが、やや深めの音。

・例:오이(きゅうり) → [o-i]

💡 発音のコツ:鏡を見ながら発音すると、唇が丸くなっているかどうかで判断できます。


2. 여 (yeo)요 (yo) の違い

여 (yeo)

・「어 (eo)」に半母音「y」を加えた音。

・唇は丸めず、「イ」から「어」に移動するように発音します。

・例:여자(女) → [yeo-ja]

요 (yo)

・「오 (o)」に「y」を加えた音。

・唇を丸めたまま「イ」から「オ」へ滑らかに移動します。

・例:요리(料理) → [yo-ri]

💡 発音のコツ:「여」は唇を丸めない、「요」は唇を丸める。


3. 우 (u)으 (eu) の違い

우 (u)

・唇を前にしっかり突き出し、丸くして発音します。

・日本語の「ウ」に近いが、より唇を突き出します。

・例:우유(牛乳) → [u-yu]

으 (eu)

・唇を全く丸めず、横に軽く引きます。

・舌は口の奥の中央に置き、上下どちらにも触れません。

・日本語にない音で、平べったい「ウ」のように聞こえます。

・例:은행(銀行) → [eu-naeng]

💡 発音のコツ:「우」は唇を突き出す、「으」は唇を引いて平たくする。


子音を覚える

子音も、単体では音をイメージしにくいことがあります。

そこで、今度は母音の「ㅏ(a)」を組み合わせます。

たとえば、子音「ㄱ」と「ㅏ」で「가(ga)」、「ㄴ」と「ㅏ」で「나(na)」となります。

すべての基本子音を「ㅏ」と組み合わせると、次のような並びになります。

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가 (ga)나 (na)다 (da)라 (ra)마 (ma)바 (ba)사 (sa)아 (a)자 (ja)차 (cha)카 (ka)타 (ta)파 (pa)하 (ha)

発音の練習では、音だけでなく、声の強弱や息の量も意識しましょう。「ㅋ(k)」や「ㅌ(t)」などは息を強く出す破裂音で、日本語にはない感覚です。

最初から完璧に発音しようとせず、まずは聞こえたまま真似してみることが大切です。

ハングルの組み合わせルール

ハングルは「子音+母音」を基本のセットとして組み合わせて作られます。

これに加え、音節末にもう一つ子音(パッチム)を付けられるため、「子音+母音+子音」という構造も可能です。

この構造を理解すれば、見慣れない単語でも発音を予測しやすくなります。

たとえば「한」なら、初声(子音)に「ㅎ(h)」、中声(母音)に「ㅏ(a)」、終声(子音)に「ㄴ(n)」が組み合わさり、「han」という音になります。

ろは

このように、ハングルは積み木のようにパーツを組み合わせることで成り立っているため、1文字を“丸暗記”する必要はほとんどありません。


名前をハングルに変換してみよう

文字の覚え方を学んだら、実際に自分や友人の名前をハングルにしてみると、一気に楽しくなります。

ここでは例として私の「ろは」という名前を変換してみましょう。

1.まずローマ字にします。

・「ろは」→「roha」

2.それぞれのアルファベットをハングルのパーツに置き換えます。

・r → ㄹ

・o → ㅗ

・h → ㅎ

・a → ㅏ

3.組み合わせると「로하」になります。

この作業を繰り返すと、自然に母音・子音の形と音が頭に定着していきます。

最近は駅や空港などでは、ハングル表記が併用されていることが多いので、答え合わせができることから、地名などもハングル表記に変換する練習をしてみるといいと思います。


合成母音の考え方

基本母音を覚えたら、次は「合成母音」に進みます。

合成母音とは、二つの母音を組み合わせてできる音のことです。

例えば「ㅗ(o)」と「ㅏ(a)」を組み合わせると「ㅘ(wa)」になります。

ここでのポイントは、「新しい文字を覚える」というより「既存の母音が合体しただけ」と理解することです。

見た目は変わりますが、もとになった母音を分解して考えれば発音もスムーズです。

たとえば次のようなものがあります。

・오 + 아 = 와 (wa)

・우 + 어 = 워 (wo)

・오 + 애 = 왜 (wae)

・우 + 에 = 웨 (we)


濃音の覚え方

濃音は、子音を二つ重ねた形(ㄲ, ㄸ, ㅃ, ㅆ, ㅉ)で表され、発音はなるべく息を出さずに発音します。

例えば「ㄱ(g/k)」を濃くすると「ㄲ(kk)」になります。

日本語には直接対応する発音がないため、最初は「息をのどに詰めてから一気に出す」感覚で練習するとコツがつかめます。

濃音も合成母音と同じく、“新しいパーツ”ではなく“既存のパーツの応用”と考えれば、暗記の負担は大きく減ります。


暗記は6割でOK

多くの学習者が最初につまずくのは「全部完璧に覚えてから次に進もう」としてしまうことです。

しかし、言語は使いながら覚えるほうが圧倒的に効率的です。

実際、24文字を完璧に覚えていなくても、文章を読みながら少しずつ確認していけば、自然と記憶が定着します。

むしろ“分からない文字が出てくるたびに調べる”というプロセスが、記憶の定着を強めるのです。

つまり、最初は6割覚えていれば十分。

残りの4割は、実際に読んで、書いて、声に出していく中で身についていきます。


声に出す練習の重要性

ここまでの内容を効果的に自分のものにするには、必ず声に出して練習することが欠かせません。

目で見るだけでは記憶に残りにくく、また正しい発音も身につきません。

声に出す練習には3つの効果があります。

・発音の筋肉が鍛えられる

・自分の耳で正しい/間違った音を確認できる

・文字と音が脳内で強く結びつく

特に韓国語の母音や濃音は、日本語にない音が多いため、口の形や息の出し方を意識することが重要です。

発音を真似するときは、韓国語の動画や音声教材を活用すると良いでしょう。


まとめ

韓国語学習の第一歩であるハングル文字の習得は、多くの人にとって最初の大きな壁です。

しかし、冷静に見てみれば覚えるべき文字はたった24個

これは基本母音10文字と基本子音14文字の組み合わせで構成されているからです。

合成母音や濃音は、この24文字を土台にして作られる応用形なので、新しいものをゼロから暗記するわけではありません。

ハングルは「パーツを組み合わせて作る文字」です。

このパーツさえ覚えてしまえば、あとは法則に沿って組み合わせればほとんどの単語を読めるようになります。

文字を一つひとつ独立して丸暗記する必要はなく、組み立て方を理解することで記憶の負担はぐっと減ります。

そして何より重要なのは、最初から完璧を求めないことです。

最初は6割程度覚えられれば十分。

残りは文章や会話練習の中で、分からない文字が出てくるたびに調べて覚えれば良いのです。

この「必要なときに覚える」方法は、単なる暗記よりも記憶の定着が早く、学習が長続きします。

また学習を続けるためのモチベーション維持のコツは、進歩を実感できる小さな目標を設定することです。

「今日は母音を全部言えるようにする」「今週は自分の名前と友達の名前をハングルで書けるようにする」といった具合に、短期間で達成できる目標を立てます。

達成感は学習意欲を継続させる大きなエネルギー源です。

他にも、学習を一人で抱え込まず、韓国語に興味のある友人やオンラインコミュニティと進捗を共有すると、モチベーションが下がりにくくなります。

他の人からのフィードバックや応援の言葉は、自分の成長を客観的に感じさせてくれる大切な要素です。

ハングルは一度読み方のルールを理解すれば、まるでパズルを組み立てるようにスムーズに読めるようになります。

最初の「難しそう」という印象をできるだけ小さくし、楽しさを感じながら進めることが、長く続けるための一番の秘訣です。

そして、その楽しさは学習スピードを確実に加速させてくれるはずです。

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