【韓国語学習】パダスギのすすめ:聞き取り力と総合力を同時に伸ばすパダスギのやり方

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・韓国語のドラマやニュースを聞いても、知っている単語なのに全然聞き取れない…

・テキストでは覚えたはずの単語が、実際に耳で聞くと別の言葉に聞こえる…

韓国語を勉強していると、こうした経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか。

その原因のひとつが 発音の変化

韓国語は連音化や鼻音化など、文字と音が一致しない現象がとても多いのです。

そんな「聞き取りの壁」を突破するのにおすすめなのが パダスギ(받아쓰기)です

英語学習でいう「ディクテーション(dictation)」にあたる学習法で、韓国語の聞き取り力を高めるのにぴったりの学習法です。

このパダスギ学習の優れているところは、聞き取りの学習だけでなく綴り、発音、文法などの力もつく点です。

韓国語は連音化があったり、綴りと発音が異なる事が多い言語なので、聞き取りと書き取りを同時に学習するパダスギはとても都合のいい練習方法です。

また、文法の確認にもなるので一度で総合的な学習ができるパダスギは、初級から上級まで全ての学習者が効果を実感できる勉強法です。

この記事では、パダスギの効果や実践方法、学習のポイントをわかりやすく紹介していきます。

目次

パダスギとは

パダスギとはハングルで書くと「받아 + 쓰기」(受けて+書く)。

意味もそのまま、聞いたことを受けて書きとるという学習方法です。

聞こえた事を書きとめるので、聞き取る力を伸ばす事ができますよね。

また聞こえた事を書くという事ですが、韓国語は不規則に変わる音声が多いので、仮に全て聞き取れたとしても、きちんと発音の表記の規則を理解していなければ、上手く書き取りをすることはできません。

知っている単語なのに聞き取れない、発音しても相手に通じないといことの原因に、発音の変化に対する理解不足があります。

例えば

박물관 / 博物館」という単語は、発音すると鼻音化がおこり「방물관 」になります。

鼻音化のルールの理解が曖昧になっていると、聞いた音だけで「박물관」と書き留めることは難しいですよね。

このように、発音について曖昧になっている部分を知ることができる練習方法が「パダスギ」です。

韓国では小学生も学校の授業のひとつにパダスギの時間があります。

この訓練をしておかないと、書き取りができないのだそうです。

ネイティブの人も小さい時に訓練する事ですから、韓国語を学んでいる外国人の立場としても、ぜひ取り入れたいトレーニング方法ですよね。

パダスギの効果

聞いた音を正確に書きとるというのは、実際にやってみるとなかなか難しいです。

韓国語は綴りと発音が異なる事が多いので、聞こえた音を聞こえたとおりに文字に起こしても、綴りが間違っているという事がよくあります。

つまり、綴りと音の変化をしっかりと理解する必要があります。

この理解の必要性が総合的な学習につながります。

韓国語の発音には、

有声音化、連音化、鼻音化、流音化、ㄴ挿入、激音化、濃音化、口蓋音化、ㅎの変化

と沢山の音の変化があります

これらを曖昧なままにしていると、聞き取りだけでなく発音も正しくできなくなってしまいます。

基礎をおろそかにしてしまうと、上級者になっても一部の発音がいつも間違っている、といった状態になってしまうこともよくあります

また、知らない単語は基本的に聞き取れません

ですので沢山の単語を覚えながら、パダスギ練習を行うことで知識としての定着が強くなります。

例えば「깻잎 / エゴマの葉」はどうでしょう。

これは「ㄴ挿入」と「鼻音化」がおこり発音は「깬닙」になります。

このことを理解していなければ、綴りを覚えていない限り、発音だけを聞いて「깻잎」にはたどりつきませんよね。

逆に綴りを知っていても音の変化を理解できていなければ「깻잎」→「깬닙」の発音はできないのでしょう。

私も昔、エゴマの葉という単語は、韓国人とサムギョプサルを食べる席で、「깬닙」という発音から知りました。

その席で辞書を開いても「깬닙」という単語はでてきません。

一緒にいた韓国人の友人が、正しいページを開いて、綴りと音声の変化を教えてくれて初めて、「깬닙」という音が「깻잎」という綴りになる事を知りました。

理屈を知った後も、綴りと発音が一致するのには時間がかかった単語はたくさんあります。

語学堂の授業では習ったはずなのに、実際に韓国の発音からその単語がでてこないなんて事はしょっちゅうでした。

このような音の変化に対する知識を定着させる訓練として、パダスギは大きな力をもっています。

音の変化に対する理解ができていれば、知らない単語に出会った時も逆に印象が強くなり、頭に入ってきやすくもなります。

逆に知っている単語でも音の変化を理解していなければ、聞き取ることができなかったり聞き取れても書きとることができなかったりします。

音の変化以外でも単語の綴りを覚えていなければ、連音化がおきると違う綴りで書いてしまいがちです。

音と綴りを意識した学習をすることで自分の苦手な部分も見えてきて更には文法の理解も深ります。

このようにパダスギはただ単に聞き取り練習なだけでなく、発音の理解、語彙力の強化や文法の理解など総合的な力を伸ばすために効果が非常に高い学習方法です。

パダスギの実践方法

パダスギの効果がわかったところで、

「では実際にどうやって取り組めばいいの?」

という疑問が出てくると思います。

せっかく効果のある学習方法でも、やり方が間違えていたら意味がありません。

ここからは、実際にどうやってパダスギを進めていく基本の流れを解説します。

パダスギ用ノートと音声教材を用意する

まずはパダスギ用のノートと聞き取りのための音声を用意します。

音声教材は、ドラマのセリフやK-POPの歌詞では難しすぎるので、簡単なものからはじめましょう。

ここで使用する教材は、今まで自分が学習してきた教材についている音声で十分です。

大抵の教材には、ひとフレーズごと読み上げている音声が必ずついていると思います。

一度学習したものを使うので、単語や文法も知っているはずなので、純粋にちゃんと聞き取りができているかの確認ができます。

最初は短いフレーズで構いません。

むしろ短い方がいいでしょう。

最初は30秒程度の音声でも、ほとんどが書きとめることができなくて、ショックを受けると思います。

私もパダスギ練習を始めたのは中級になってからでしたが、最初は少しでも長い文章になると、全く書きとめることができませんでした。

そのためその時は、途中で音声を止めたりするのも面倒なので、テキストの練習問題を使用しました。

大体の練習問題はワンフレーズの穴埋め問題が多いと思います。

そのワンフレーズごとにも音声がついているものを選び、それを利用していました。

このやり方だと、本当に短いフレーズの数をこなすことができます。

また、自分で音声を区切ったりする必要もないので、パダスギを最初に始めるときの音声は、教材についているワンフレーズの練習問題がおすすめです。

そして慣れてきたら、教材の中にある長い文章や、韓国の天気予報などをつかって練習するといいと思います。

音声を聞いて書いてみる

一度聞いたら音声を止めて、聞き取れたものだけ書いていきます。

長めの音声の時は、1文ずつ音声を止めて書いてください。

最初はほとんど聞き取れないかもしれませんが、大丈夫です。

これを何度も繰り返しましょう。

とはいっても何度聞いてもわからないものはわかりません。

5回くらいがちょうどいいと思います。

自分で何回まで聞くかを事前にルールを決めておくとより集中して聞く事ができます

答え合わせと分析

決めた回数を聞いたら答え合わせをします。

赤ペンを使って、自分が書きとめた分の下に正解の文章を書いていきましょう。

この時に自分がどれくらい聞き取りができているのかをしかっり分析する事が大切です。

ポイントは以下の3つ。

1.全く聞き取れなかったもの

2.聞き取れたけど綴りが違っていたもの


3.意味はわからなかったけど、書きとれたもの

これらを知ることで、自分が何が苦手なのか、理解の足りていないものは何なのかを知ることができます。

それでは、ポイントをひとつずつみていきましょう。

全く聞き取れなかったもの

1.の全く聞き取れなかったものについて。

同じ聞き取れなかったでも、覚えている単語なのに聞き取れなかったのかと、忘れてしまっていた単語で聞き取れなかったのでは内容がちがいますね。

使用する教材を、一度自分が学習したものを用意するポイントがここにあります。

・単語を忘れてしまっていたのならそれはただ単に語彙力の問題です。

・覚えている単語なのに聞き取れなかったのなら、発音の理解が不足しているか、音声の速さについていけていない事が原因です。

聞き取れたけど綴りが違っていたもの

2.の聞き取れたけど、綴りが違っていたものについてはどうでしょう。

・これは、音声の変化に対する理解が足りていないですのが原因です。

・連音化による綴り間違えなのか、音声の変化による綴りの間違えなのかを分析しましょう。

・まだ学習していない発音の変化なら、これから習うので問題ないです。

なぜ間違えたのかを理解し、学習したところまで戻って復習をすれば、理解度は今までよりも上がるはずです。

とはいっても、同じ間違えは何度もするでしょう。

でも問題ないです。

間違えを何度も繰り返すことで、必ず定着します。

むしろ、何度も間違えたものの方が、後々になってしっかりと定着します。

意味はわからなかったけど、書きとれたもの

3.の意味はわからなかったけど、書きとれたものはどうでしょうか?

・この場合は、単語力不足ですが聞き取る力は強いと思っていいです。

・基本的に知らない単語は聞き取れない事が多いので、一度学習していたとしても、まだしっかりと覚えていない単語を聞き取れたということは、聞きとりの力が強いということです。

ろは

意味が分からないものを聞き取れるということは、とても聞き取りの力が強いと自信を持っていい程です。

音読をする

答え合わせが終わり、間違えの分析が終わったら、最後に音読をしましょう。

自分ができなかった事は何なのかを考えながら音読することで、発音や文法の力がつきます。

また頭で理解しながら発音練習をするので、聞き取りの力も伸びる結果を得られます

パダスギに限らず、全ての学習と音読はセットにしておくと学習の効果はより高くなります。

頭で考える前に口が動くという状態を作りだすのが理想のかたちです。

適度でやめる

やってみればわかるのですが、パダスギは思っている以上につかれます。

また、聞き取れない文章が多いとやる気もなくなってきます。

そのため、短い時間で集中して行いましょう。

あまり長い時間やっていても集中力が続きませんし、聞き取れなければやる気も自信もなくなってきます。

無理して長い時間やるよりも、適度な時間で数をこなす方がやる気も効果も高くなります。

まとめ

パダスギは聞き取りだけでなく、韓国語の実力を総合的に上げることができる学習法です。

何度も聞いて、聞き取れる部分を書きとめるという訓練を繰り返しすることで、今までは聞き取れなかった音も段々と聞き取れるようになってきます。

繰り返し学習する際も

・全く聞き取れなかったものを知る

・聞き取れたけど綴りが違っていたものはなにか

・意味はわからなかったけど、書きとれたものはあるか

・最後は音読練習をする

という事を気をつけながら学習と復習をつづけることで、

・語彙力が増える

・文法の理解力があがる

・発音変化の理解が高まる

・聞こえる音声と綴りの理解が深まる

聞き取りの力が伸びる

発音がよくなる

これだけの効果を実感することができます。

パダスギは、自分に合った聞き取りに使う教材を用意すれば、初級から上級まで学習者のレベルを問わない学習法です。

また、覚えることの多い初級のときから始めた方が知識の定着が早くなるので、初級者こそ始めてほしい学習法です。

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