- 家庭で複数の言語をどうやって育てればいいの?
- 子どもが混乱しないか心配…
子どもの日本語教育についてそんな悩みを抱えている海外在住の家庭や国際カップルのは多いのではないでしょうか?
また国際結婚や海外移住、またグローバル社会に対応した教育への関心の高まりにより、「多言語育児」という言葉が注目を集めています。
これには単に複数の言語を話せるというだけでなく、子どもの将来的な進路、文化的アイデンティティの形成、そして認知発達にも良い影響があるとされています。
実際に、バイリンガルやトリリンガルの子どもたちは、言語だけでなく、異なる文化を理解する柔軟な思考力や創造力、課題解決能力を自然と育んでいくと言われています。
しかしながら、多言語育児にはメリットだけでなく、さまざまな課題もあります。
どの言語を家庭内で使うか、親それぞれの言語レベル、子どもが拒否感を示したときの対応など、実際の生活の中でバランスをとることは容易ではありません。
わが家も私は日本人で妻は韓国人、現在ははニュージーランドで子育てをしています。
子どもが産まれた時から言語教育については考えてきましたが、子どもの成長や環境が変わるたびに子どもの言葉についての悩みはつきません。
一方でわが家では子どもが産まれたときから、私は日本語、妻は韓国語で話しかけるというルールを作っていました。
あとから知ったのですがこれは、「ひとりの親がひとつの言語を使う」という育児スタイルの「OPOL(One Parent, One Language)」の教育法にかなったルールでした。
とはいっても、しっかりとした知識をもって実践していたわけではなかったので、一貫性がなかったり周りの環境にながされたりしていて、一時期は私が日本語で話しかけても子どもが日本語で話してくれない時もありました。
そんな時に、多言語育児において世界中で実践されている「OPOL(One Parent, One Language)」を知り、わが家でも一貫性をもって実践するようになるとと子どもは次第に日本語を使うようになってきました。

やはり裏付けされた知識は大切です
この時感じた事は、私たち親にとって子どもに話せるようになって欲しいと思っている言葉は“ただのツール”ではなく、文化や価値観を伝える大切な手段だということでした。
日本語を話せるだけでなく、その言葉を使用している日本という国のもつ価値観を伝えたいのだということを認識し、そしてその手段としての言葉をしっかりと伝えていくには親の強い意志が必要であると実感しました。
この記事では、そんな「OPOL(One Parent, One Language)」という手法について、実際に私たちが子育てに実践してきたことをご紹介します。
OPOL(One Parent, One Language)とは?
明確なルールで混乱を防ぐ多言語育児法
OPOLとは、「One Parent, One Language」、つまり「ひとりの親がひとつの言語を使う」という育児スタイルを意味します。
例えばわが家のケースでいえば、父親である私が日本語、母親である妻が韓国語、学校や地域社会では英語、というように、それぞれの親が特定の言語を一貫して子どもと話すことにより、言語の混在や混乱を防ぎます。
この手法は必ずしも乳幼児期だけに限定されたものではありませんが、特に言語習得が著しく進む乳幼児期に導入することで、より高い効果が期待できるとされています。
子どもは「お父さん=日本語」「お母さん=韓国語」「外の世界=英語」といったように、それぞれの人と使う言語を自然と切り替えていくようになります。
これは、子どもが言語と社会的文脈を結びつけて覚えていくという、認知心理学的な仕組みに基づいています。
実生活の例でいえば—— 朝ごはんの時間に、
- 母親が「자 아침 먹자(さぁ、朝ごはん食べましょう)」と韓国語で声をかけ、
- 父親が「今日の朝ごはんはトマトとハムのサンドイッチだよ」と日本語で話す
こうした日々の積み重ねが、言語の切り替え能力と定着を促します。
聞いてみると、理論も難しくなくルールも簡単に見えるのですが、実践してみると、徹底することはなかなか難しいものです。
OPOLの背景と理論的根拠
スイス出身のバイリンガリズム研究の第一人者である言語学者のフランソワ・グロジャンは、多言語環境で育つ子どもにとって「言語の使い分けが明確であることが、言語発達にプラスに働く」と述べています。
つまり、「誰と、どの言語を話すか」が自然に決まっていることで、子どもがそれぞれの言語に対して安定した理解と発話力を身につけやすくなるのです
また、多言語家庭の子どもの言語発達に関する多数の実証研究で知られるベルギーの言語習得研究者アニック・ドゥ・ハウワーは、親が一貫してそれぞれの言語を使い分けている家庭のほうが、子どもがバイリンガルとして成功する可能性が高いと報告しています。
彼女の大規模調査によれば、OPOLを実践している家庭の子どもの75%以上が、両言語を日常会話レベルで運用できるようになったという結果が出ています
このような理論的根拠に支えられ、OPOLは今や欧米をはじめ、アジア、オセアニア地域の多くの家庭でも採用されており、特に家庭内で複数の言語を扱う場合には、子どもが混乱しにくく、かつ自然な形で複数言語を習得しやすい代表的な育児法とされています。
多言語育児が広がる背景とその効果
国際結婚や海外移住が増える中、「自分のルーツの言語をどう伝えるか」は親にとって大きなテーマです。
また、近年ではグローバル教育への関心も高まり、「多言語ができること=将来の強み」と捉える家庭も増えています。
カナダの心理学者エレン・ビアリストックは、バイリンガルやトリリンガルの子どもが単に語学力だけでなく、認知の柔軟性、問題解決能力、創造力にも優れていることを明らかにしています。
異なる言語と文化に日常的に触れることで、子どもたちは複眼的な思考や異文化理解力を自然と身につけていくのです。
とはいえ、多言語育児には悩みもつきものです。
どの言語を優先するか、親の言語レベルの違い、子どもが片方の言語を拒否した場合の対応など、試行錯誤は避けられません。
だからこそ、多言語育児の「ルール作り」はとても重要になってきます。



そのルールを親自身が守り続けることが最も大切です
その中でもOPOLは、親子の関係性に基づいたシンプルで効果的な方法として、多くの家庭で支持されています。
OPOLのメリットとデメリット
OPOLには魅力的な利点が多くありますが、実践において注意が必要な側面も存在します。
ここでは、実際の生活シーンと合わせながら、メリットとデメリットを詳しく紹介します。
メリット
1. 言語の混合(コードミキシング)を抑える
多言語環境にある子どもは、1つの文の中で複数の言語を混ぜて話す「コードミキシング」を自然と行ってしまうことがあります。
しかし、たとえば日常的に母親と韓国語、父親と日本語で話している子どもは「誰とどの言語を使うか」が明確になり、状況に応じた言語の切り替えが習慣づけられます。
そのため、1つの文の中に複数の言語が混ざってしまう「コードミキシング」を最小限に抑えることができます。
2. 継承語の保持と発展に有効
両親のうち片方の言語が移住先ではマイナーである場合、その言語は子どもにとって「継承語(Heritage Language)」になります。
OPOLはこの継承語の維持に非常に効果的です。
たとえば日本人の父親が一貫して日本語で話しかけることで、子どもも自然と語彙や文法の習得がスムーズになり文化的アイデンティティも深まります。



わが家のように移民先で日本語や韓国語を子どもに伝えていくことです
3. 子どもの言語アイデンティティを支える
それぞれの言語が、家族の誰かや特定の文化と結びついていることで、子どもは自分のルーツや文化背景を意識しやすくなります。
これは言語の習得だけでなく、自己肯定感やアイデンティティの形成にも大きく寄与する要素となります。
つまりわが家の場合でいうと「お母さんとは韓国語、お父さんとは日本語」という関係が子どもの中に自然と根づくことで、それぞれの言語に愛着が生まれ、それぞれの国にいる家族とのつながりもより深まります。



息子に日本の祖父母には日本語で、韓国の祖父母には韓国で話したいという気持ちが芽生えたことが大きかったです
4. 長期的な学習への基盤づくり
OPOLで育った子どもは、後年さらに高度な語学力や文法理解へとつなげやすくなります。
これは、幼少期から特定の言語に一貫して触れ続けることで、その言語の音や構造に対する感覚が早期に育ち、無意識レベルでの言語処理能力が養われるためです。
また、語彙の蓄積や文のパターン認識が自然と進むため、成長とともに抽象的な概念や複雑な文法にもスムーズに対応できるようになるのです。



全ての言語が中途半端にならないように、一貫した親の努力が大切です
デメリット
1. 親の言語力が鍵になる
OPOLを成功させるには、親自身の言語能力が問われます。
特に、自分の第一言語ではない言語で子どもに話しかける場合、語彙や文法の誤りがそのまま定着してしまう可能性があるため注意が必要です。
一方で、第一言語を使う場合でも、子ども向けの語彙や表現を意識的に増やすことで、より豊かで自然な言語環境を提供できます。
読書や映画、音楽などを通じて、親自身もその言語に触れ続けることが、継続的な学びにつながります。
わが家の場合は、日本語はほぼ父親である私としか使いません。
なので、私の使う日本語しか息子は知りません。
そのため同じことでも意図的に違う言い方をしてみたり、話の中で擬音語などをまぜながら話をしたりと色々な表現を使うように心がけています。



私の表現力や使用語彙が、そのまま子どもの日本語能力に直結していくので私自身も日本語を学んでいる日々です
2. 環境による影響を受けやすい
家庭外では学校や地域の影響により、現地語(たとえば英語)が圧倒的に優位になります。
その結果、継承語の使用機会が減少する可能性が高く、家庭内での取り組みだけではバランスを保つのが難しい場合があります。
わが家の場合は、まだ英語は息子も学校で学んでいる段階なのでそれほど大きな影響を受けていませんが、家庭外で会う友人は韓国人が多いので韓国語の使用比率が圧倒的に高いです。
韓国語も息子にとっては継承語のなので韓国語を自由に話せるようになることはとても大切ですが、少し気を抜くと家でも日本語を使わず、韓国語だけで話そうとしてしまします。
また、日本語の表現も韓国語に引っ張られることも多いです。
例えば、韓国語では「飲む」という単語はもちろんありますが、「食べる」という意味の「먹다(モッkタ」という言い方をよくします
その為、息子も日本語で「飲む」というべきところでよく「食べる」といいます。
そんな時は間違えを指摘するのではなく、間違えた表現の部分を返答の中にいれて正しい表現に直して答えるようにしています



このジュース食べてもいい?



そうだね、今日は頑張ったからそのジュース少しだけ飲んでもいいよ
といった具合です
また息子が



今日、学校でね、○○くんがぼくにこのカードををあげたの。それでね・・・・
と話しをしている中で間違えた表現がある時は、話を遮らないように



えー、○○くんが息子くんにカードをくれたんだ!それで??
といった具合に、間違えた表現の部分を相づちを打つように繰り返しをしながら、正しい表現に直して話の続きを促すようにしています。
3. 子どもが一時的に拒否することもある
子どもがある言語を「めんどくさい」「通じない」と感じるようになると、使うことを拒否する時期が出てくるかもしれません。
移民の先輩方に話を聞いてみても、現地の英語の友達との会話が中心になると、「日本語はめんどう」と感じて使わなくなるケースや、特に兄弟がいる場合は家でも兄弟同士は英語で話して、日本語(韓国語)をあまり使わなくなるケースもあるそうです
そんな時は無理強いは逆効果になるため、根気強く、楽しさや意味を伝えながら接することが大切です。
わが家でも一時期、私も韓国語で受け答えをしてしまっていた為、息子が韓国語の方が楽になってしまい、日本語で話してと言うと、会話を辞めてしまう時がありました。
しかし、絵本の読み聞かせを毎日行うことで、絵本のキャラクターやそのキャラクターたちの放つ日本語表現に興味を持ち始め、暗記までするようにまでなりました。
そしてその結果、次第に私との会話でも日本語で返答する努力をしてくれるようになっていきました。
OPOL導入のタイミングと実践例
理想のタイミングは?
OPOLを始める理想的なタイミングは、言語習得の敏感期である0〜3歳といわれていますが、それ以降でも遅すぎるということはありません。
言葉を話し始める前からOPOLを始めていれば、子どもは無意識のうちに「この人とはこの言語」と認識するようになり、一方ですでにある程度話し始めた段階から導入する場合は、初期の戸惑いや混乱があるかもしれません。
その場合は、親が明るく丁寧に伝え続けることで自然と定着していきます。。
むしろ大切なのは、「親がどれだけ一貫して使い続けられるか」という姿勢です



タイミングよりも親のこの姿勢が最も大切です
わが家のケース
わが家は父親である私が日本人、母親である妻が韓国人で、息子が産まれて1歳までを韓国で過ごし、現在はニュージーランドに暮らす三言語家庭で、父は日本語、母は韓国語、子どもは学校で英語という環境で育っています。
息子がまだ話せるようになっていない1歳になるまでの韓国で過ごしていたころは、息子に日本語のシャワーをあびせていました。
しかし、ニュージーランドに来てから息子も次第に言葉を話すようになっていく中で、子どもをとおして知り合った人が韓国人が多かったこともあり、韓国語で話しかける比重が増えていき、日本語の使用頻度が減っていきました。



あなたが日本語を使わないと息子くんが日本語を話せなくなるよと妻にはよく言われていました
その結果、息子の日本語の語彙や表現が増えず、日本語に対して消極的になってしまうという事態に陥っていました。
このままでは本当に日本語が話せなくなってしまうかもしれないと、危機感を覚え始めた2020年、パンデミックにより、ニュージーランドは世界の中でも早期かつ厳格なロックダウンを実施され、家庭で過ごす時間が急増しました。
この時間を息子の言語教育に向かい合う時間にしようと思い、絵本の読み聞かせを始めることにより、以前よりもずっと日本語を使うようになりました。
そして2度目のロックダウンが訪れた息子が3歳の時、気がつくと好きな絵本は暗唱してしまうほどになり、まだ完全ではありませんが「父と話すときは日本語」という言語スイッチが形成されました。
また息子が6歳までは私を呼ぶときは韓国語でお父さんという意味の「아빠(アッパ)」を使っていました
「パパ」「ママ」も英語だし、言いやすいから別にいいかなと思ってたのです
でも、これも「コードミキシング」のひとつだよな、と思うようになりある時



これからは「アッパ」じゃなくてお父さんって呼ぶようにしようか



うん、わかった



お父さんと話してる時は、「オンマ」のことも「お母さん」って言うようにしようか



うん、わかったよ、アッパ
という取り決めをしました。
とても小さな取り決めだと思っていましたが、この取り決めを境に息子に変化が起きました。
以前までは私と話をしている時に、韓国語では言えるけど日本語では言えない単語や表現があると、話を止めずにその単語や表現を韓国語で話していました。
しかし、この取り決めをしたあとは、一度会話を止めて、「○○は日本語でなんていうの?」と積極的に聞いてくるようになりました
なんでもっと早くから、なぜ最初からお父さんと呼ばせなかったんだろうと後悔もしましたが、親の姿勢が大切だという事を学んだ出来事でした。
OPOL実践の効果的な5つの大切なこと
OPOLはシンプルなルールながらも、日々の実践ではさまざまな工夫が求められます。
効果的なポイントをわが家の経験も踏まえて5つご紹介します。
1. 家族全員でルールを共有し、ブレない姿勢を保つ
OPOLを続けていくうえで何より大切なのは「一貫性」です。
片方の親だけが努力していても、もう一方の親が別の言語を使ってしまえば、子どもは混乱してしまいます。
夫婦でブレずに守り続けることが子どもの安心感にもつながります。
そして、これは祖父母や兄弟姉妹にも、できる範囲で協力してもらう必要もあります。
わが家は第3国のニュージーランドに住んでいますが、もしこれが日本に住んでいた場合、私の家族である祖父母や兄弟姉妹と一緒にいる時も妻は息子と韓国語で会話することが必要になります。
2人で何を話しているのかわからないので、不快に思われる事もあるかもしれませんが、しっかりと説明をし理解をしてもらうことが大切です。



多言語教育は父親がどれだけ意識を持って徹底する事ができるかが最も大切なことのひとつです
2. 様々な資源やコンテンツを積極的に活用する
家庭の中だけで言語環境を維持するのは簡単ではありません。
家庭内だけに頼らず、さまざまなツールや機会を活用して、子どもが対象言語に触れる環境を広げる手段を積極的に活用しなければ、親も疲弊してしまいます。
たとえば、地域の図書館で必要な言語の絵本を借りたり、オンラインでその言語の子ども向け動画を活用したり、週末学校などの教育機関を利用することを検討してみるのもよい方法です。
子どもが「その言語を実際に使う・聞く・楽しむ」機会を増やすことが大切です。
また私たちの住んでいるオークランドには、日本語や韓国語の補習校があり、多くの子どもが通っています。
このような家庭外のサポートを利用することで子どもも言葉を楽しむ機会が増えるのではないでしょうか。
3. 言語と文化のつながりを意識させる
言語は文化と切り離せないものです。
たとえば、日本の昔話、節句の行事、韓国の童謡や食文化など、その言語に根ざした文化的体験を通じて、子どもは自然と「言葉の背景」に触れることができます。
言語が単なる“音”ではなく、“意味”として深く定着していきます



文化を知ることで言葉の興味もうまれ、日本という国、韓国という国自体にも興味がうまれています
4. 遊びや日常の中に言語を取り入れる
学習のように構えてしまうと、子どもは言語そのものを「難しいもの」として受け止めてしまうかもしれません。
お絵かきしながら「これは赤いね」「これは사과(りんご)だね」と自然な会話に取り入れるなど、遊びの中にさりげなく言語を組み込むことが大切です。
そうすることで、子どもは学びを「楽しい」と感じられるようになります。
子どもにとって「楽しいかどうか」は何より重要です。
親子の会話に歌やクイズ、絵本を取り入れることで、言語の学習が「遊び」として日常に根づいていきます。
5. 長期的視点でゆるやかに続ける
子どもがある言語を嫌がる時期もありますし、親自身が疲れてしまうこともあるでしょう。
でも、完璧を求めなくても大丈夫です。
少し中断しても、また戻ればいいんです。
子どもの成長や生活環境の変化に合わせて、無理のない形で続けることが成功のカギです。
言語の育ちは「点」ではなく「線」でとらえましょう。
途中でスタイルを変えても問題ありません。
大切なのは、親子のコミュニケーションの質と、続けようとする気持ちそのものです。



一番大切なことは、シンプルに「続けること」です
まとめ
子どもの言語教育と考えると、つい不安が先に立ってしまうこともあるかもしれません。
でも、完璧を目指す必要はありません。
大切なのは、親がその言語に愛着を持ち、子どもとの日常を通して自然に言葉を届けていくことです。
言葉を通して絆を築く——その姿勢こそが、子どもにとって最も価値ある環境になります。
OPOLは、子どもの言語能力だけでなく、家族の中の「文化」「感情」「ストーリー」を伝えるための方法でもあります。
また、かっちりとした決まりに縛られる必要はありません。
家庭のライフスタイルや子どもの性格、親の言語力などに合わせて、柔軟に調整しながら進めていくことができます
たとえ最初に決めた方針を途中で変更したとしても、それは決して失敗ではありません。



それを失敗というならわが家は何度も失敗しています
たとえば、ある日は父親が子どもと日本語で一緒に絵本を読みながら、「これ、どういう意味だと思う?」と会話を広げてみる。
別の日には、母親が韓国語で童謡を一緒に歌いながら、昔話を語ってあげる。
そんなふうに、日常の中で無理なく自然に言葉を使っていくことが、子どもにとって一番の学びになります。
OPOLは「正しくやらなければいけない」ルールではなく、家庭の状況に応じて柔軟に取り入れることができる育児のヒントです。
途中でやり方を変えたり、工夫を重ねたりしても構いません。
大切なのは「親が楽しんで使っている言葉を、子どもに伝えようとする気持ち」です。
そしてOPOLは単なる語学のためのツールではなく、家族それぞれが持つ文化や背景を尊重し合いながら、心と言葉を交わす手段です。
どんなに小さなことでも、「今日この子にこの言葉を伝えられてよかった」と思える時間を大切に、焦らずゆっくり、自分の家庭に合ったやり方を見つけていきましょう。
たとえば、週末に日本語でアニメを一緒に観たり、韓国語の絵本を読み聞かせながら文化の話をしてみたりする
そうした何気ないひとときが、子どもにとって豊かな言語体験になります。
OPOLは、ただの語学習得手法ではなく、家族の「ことば」と「心」をつなぐコミュニケーションの形でもあります。
焦らず、比べず、親子で楽しみながら、無理なく続けられるペースでゆっくり育てていきましょう。
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