海外で子どもの日本語を伸ばすには?我が家の試行錯誤と対策

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海外で子育てをしていると、こんな悩みを感じることはありませんか?

・家では日本語を話しているのに、だんだん英語の方が強くなってきた

・日本語で話しかけても、英語で返ってくる

・このまま日本語は維持できるのか不安

わが家でもまさにこのような状況に直面しています。

現在、子どもは英語環境の中で生活しており、日本語は少しずつ弱くなり始めています。

特に感じるのは、「理解はしているのに日本語で出てこない」という場面が増えてきたことです。

さらに、わが家の場合は母親が韓国人で父親(筆者)が日本人の日韓家庭のため、日本語だけでなく韓国語も日常的に使っており、英語を含めた3言語環境の中で、言語バランスが常に変化しています。

この記事では、ニュージーランド在住の日韓家庭でトリリンガル育児を現在進行形でおこなっている筆者(父親)が、そんな状況の中で実際に試している日本語維持・向上の方法を、リアルな体験とともに紹介します。

完璧な成功例ではありませんが、同じ悩みを持つ方の参考になれば幸いです。

目次

海外で子どもの日本語が弱くなる理由

海外では、子どもの生活のほとんどが現地語(英語)になります。

・学校

・友達との会話

・テレビやYouTube

こうした環境の中で、自然と英語のインプットとアウトプットが増えていきます。

その結果、日本語は「使わない言語」になりやすく、徐々に弱くなっていきます。

詳しくは以下の記事で解説しています

日本語が伸びる子の特徴

これまでの経験や周りの家庭を見て感じるのは、日本語が伸びる子(韓国人家庭では韓国語)にはいくつかの共通点があることです。

日本語のインプットが多い

絵本や会話など、日本語に触れる時間が日常的にある

海外ですごしていると、入ってくる言語の情報量は日本語に比べて現地語の比率が圧倒的に高くなります。

そのため、現地語と同等は難しくても、日本語に触れる量を意識することがとても大切になります。

アウトプットの機会がある

親や家族と日本語でやり取りする機会がある

言語はインプットするだけでは定着しません。

実際に使うことで初めて、自分の言葉として身につきます。

しかし海外で生活していると、日本語を使用する機会はとても限られています。

そのため、家族の時間を大切にし、日本語で会話をする時間を作ることが大切です。

日本語で感情表現をしている

単なる単語ではなく、「嬉しい」「悔しい」気持ちなどを日本語で表現できる。

特に「感情表現」は重要で、言語が生活の一部になっているかどうかに大きく関わっていると感じています。

とっさに出てくる感情表現が日本語で出てくるということは、無意識下でも日本語で思考している証拠です。

わが家の現状

わが家は、日本語・韓国語・英語の3言語環境で、第一言語は日本語と韓国語です。

第一言語については、以下の関連記事を参照ください

幼少期は日本語と韓国語が中心でしたが、現在は英語環境で生活しているため、少しずつ英語の影響が強くなってきました。

最近(息子7歳11ヶ月)感じている変化としては

・英語で考えている場面が増えてきた

・日本語で話しかけても言えない表現を英語で返してくることがある

・日本語の語彙がとっさに出てこない

ということがあげられます。

これは英語での学校生活に慣れてきたことの裏返しでもあります。

一方で、日本語を話さなくなったというわけではありません。

学校生活で英語の使用量が増えた結果、日本語で話したいことがうまく出てこないときは英語で代用するという状態になっていると感じています。

この事で興味深いのは、以前までは日本語が出てこない時は、韓国語を代用する言葉として使っていたのですが、最近は英語を使うことが増えてきたという点です。

また同じ第一言語でも

・韓国語 → 優勢

・日本語 → 非優勢

というバランスになっており、息子本人にとって最も自然にでききて、一番ラクに話せる言語は韓国語です。

海外で日本語を伸ばすためにやっていること

日本語で話しかける

最も基本的でありながら、最も重要なのが日常の会話です。

わが家は、ニュージーランド在住で母親が韓国人、父親(筆者)が日本人の日韓家庭です。

そのため、息子と会話する家庭内言語は

・母親 :韓国語

・父親(筆者):日本語

というルールを実践しています。

これは「ひとりの親がひとつの言語を使う」という育児方法を意味するOPOL(One Parent One Language)という育児法です。

OPOLについては以下の関連記事を参照ください

しかし、学校以外の環境は韓国人の友人が多いこともあり、私が気を抜くと息子は韓国語で話そうとすることも多いです。

そんな時は、相づちをうちながら、日本語で言いなおして話の続きを促すようにしています。

そうすることで、子どもの話を中断することなく、韓国語を日本語に変換してあげることができ、子どもも話の続きを日本語で話そうとしてくれます。

最近は英語で返されることもありますが、日本語で話しかけ続けることで、日本語の環境を維持し、息子の足りない語彙や表現を教えてあげることができています。

日本語の本を読む

日本語のインプットとして最も効果を感じているのが読書です。

わが家では、息子が2歳のころに一時、日本語を話そうとしない時期がありました。

その時に始めたのが絵本の読み聞かせで、7歳11ヶ月の現在も続けています。

絵本は子どもが楽しいと感じる語感や、表現がたくさんでてくるので、同じ本でも何度も読みたがります。

そして何度も読んでいるうちに、そこで出てくる表現や語彙の自然な使い方を学んでくれます。

息子は『バムとケロ』シリーズが特にお気に入りで、この絵本のおかげで日本語の曜日を覚えることができました。

Sundayが日本語で出てこない時、絵本の本文にある一節で

ろは

こんなあめの ○○ようびは サッカーもすなあそびもできない

と語りかけると、はっとした表情で思い出し

息子くん

にちようび!!

といったように、楽しく日本語の曜日の呼び方を覚ることができました。

また絵本のおかげで、擬音語なども覚えて使用することができるようになりました。

その他にも、昔話などを通して日本の文化的な一面も教えてあげることができたり、日本の風習などにも興味を持つようになるきっかけとなっています。

そして読んであげるだけでなく、息子に朗読してもらったり、時には一緒に読んだりすることで、ひらがな、カタカナ、漢字にも興味をもつようになりました。

耳から入る日本語のコンテンツに触れる

家庭内でいくら日本語での会話を徹底していても、私との会話だけでは子どもらしい自然な言葉づかいや、表現力を取得するのには限界があると感じました。

そこで、5歳のころから少しずつ日本の番組を見せるようにしました。

とはいっても、わが子に使ってほしくないような言葉づかいが出てくるコンテンツはさけるようにしました。

海外在住のため、耳にする日本語が限定的な息子にとって、語感やその言葉をつかっている場面が面白ければ、あまりきれいではない表現でも面白がって使ってしまうと思ったからです

そのため、子ども向け番組のなかでも優しい言葉づかいが多いコンテンツを選んでいました。

そんな中、見つけたのがNHK for School でした。

海外からもPC やタブレットで視聴可能で、NHKの教育番組を見ることができます。

内容は、学年別に国語や道徳、算数などの番組があり、なによりもNHKの番組なので安心して子どもに見せることができます。

ひとり劇で昔話や世界の童話をみせてくれる『おはなしのくに』、道徳の人形劇『ざわざわ森のがんこちゃん』『銀河銭湯パンタくん』が息子のお気に入りです。

子どもたちがでてきて番組が進行するものも多く、私が求めていた 「子どもらしい自然な言葉づかいや、表現力」を身につけてもらうためにはピッタリのコンテンツでした。

このNHK for School は、息子が7歳になる頃から現在まで、学校に行く前の10分間、毎日みせています。

日本語を使いたいと思う環境を作る

海外では意識しないと日本語を使う機会は減っていきます。

そのため

・日本語で会話する時間を意識的に作る

・日本語のコンテンツに触れる

・日本語が必要だと認識させる

など、環境づくりを意識しています。

また、息子は1歳でニュージーランドに移住したため、日本の祖父母のことは記憶にはありませんでした。

しかし、小さい時から定期的にLINEのテレビ電話を通じて画面越しで話をしていたので、5歳の時に日本に一時帰国をしたとき、とてもよく祖父母になついてくれました。

そして、1度実際に会ったことで、おじいちゃん、おばあちゃんと日本語で話しをしたいという気持ちを持ってもらうことができました。

逆にいうと、日本語が話せなければ、おじいちゃん、おばあちゃんと話ができないので、そのために普段でも日本語を使おうと努力をしてくれています。

おかげで今では自らすすんで、今日はおじいちゃん、おばあちゃんと電話したいと言ってくれます。

このように日本の家族と頻繁に話をすることで、日本に会いたい家族がいると感じてくれ、日本語を使いたいと思う気持ち、そして日本という国に愛着ももつようになりました。

机に向かう時間をつくる

日常会話ができていても、書き取りや読み取りは机に向かって量をこなさなければ身につきません。

そのため、1週間に少なくても1日は机に向かって日本語を学ぶ時間を設けています。

ひらがな、カタカナからはじまり、7歳から漢字も始めました。

とはいっても、量はまだまだ全く足りていないので、しばらく復習をしないとひらがな、カタカナでさえ怪しくなる時もあります。

また、本の朗読も時間も設けています。

絵本の場合はページごとに短くくぎって、しっかりと一文を間違えず読み切れるまで何度も同じ文を繰り返して練習しています。

やってみて感じたこと

日本語を伸ばすために、実際に色々と取り組んでみて感じたのは、言語は環境の影響を強く受けるということです。

特に海外にいて英語環境だと、意識をしないと英語が圧倒的に優勢になっていくだろうと実感しています。

またわが家の場合は、母親が韓国人で友人も韓国人が多い環境なので、日本語は特に意識的に使う環境を作っていかなければなりません。

一方で、オークランドでは韓国人家庭も多く、同年代の子どもで韓国語をしっかり維持しているケースもよく見かけます。

そうした家庭では

・家庭内での言語ルールが明確

・コミュニティとのつながりが強い

といった特徴を感じます。

こうした例を見ると、言語は「個人の努力」だけでなく、環境やコミュニティによって大きく左右されると実感しています。

そのため、海外で日本語を伸ばすためには環境づくりが大切だと感じました。

やってはいけないと感じたこと

試行錯誤の中で、逆効果だと感じたこともあります。

具体的に例を3つあげます。

①無理に日本語を強制する

②間違いを細かく指摘する

③英語を否定する

無理に日本語を使わせたり、強く言葉を修正したりすると、逆に言語への抵抗感がうまれることがあります。

例えば、子どもが話しをしているときに、英語がでてしまったり、間違えた日本語を使ってしまったとき、その都度修正ばかりしていると、話を遮られてしまった子どもは、日本語で話をすること自体がいやになってしまいます。

そんな時は、会話の流れを優先し、話を聞いてあげながら、自然な形で言いなおしてことを意識しています。

あくまでも子どもとのコミュニケーションを一番に考え、会話を楽しむ姿勢を持って接すれば、子どもは正しい日本語を吸収してくれます。

また日本語で話して欲しいからといって英語を否定することは、学校という社会生活を英語ですごしている子ども自身のアイデンティティにも影響するため注意が必要です。

これからやろうと思っていること

今後さらに取り組みたいこととして

・日本語の読書習慣を定着させる

・机に向かう時間をもう少し増やす

・日本への一時帰国を活用する

などを考えています。

読み書きに関しては、同年代の日本の子どもとは比較できないほど量が不足しています。

そのため、机に向かう時間を今より増やす必要を感じています。

一時帰国は頻繁にできることではありませんが、子どもが日本に興味を持っていてくれているうちに足を運んで、同年代の日本の友達と交流する機会を作ってあげたいです。

その他にもまだ試していないことも多く、これからの変化も見ていきたいと思っています。

まとめ

海外で子どもの日本語を維持・向上させるのは簡単ではありません。

特に英語環境では、自然に英語が強くなっていきます。

また、わが家のように複数の言語がある場合は、言語同士のバランスも影響します。

その中で大切なのは、完璧を目指すことではなく、子どもとのコミュニケーションを楽しみながら、日本語を使う環境を整え続けることだと感じています。

わが家もまだ試行錯誤の途中ですが、同じような悩みを持つ方の参考になれば幸いです。

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