ニュージーランドの初等教育は、日本の小学校とは仕組みが少し異なります。
5歳から学校生活が始まり、学年はYear 1、Year 2と進んでいきます。
さらに、Year 7〜8になると基本的にIntermediate Schoolへ進み、学校の形も一つではありません。
また、日本のような4月の一斉入学ではなく、5歳の誕生日を基準に入学時期が決まるため、
「いつから学校に通い始めるのか」
「Year 0とは何なのか」
と戸惑う方もいると思います。
この記事では、ニュージーランドの初等教育について、Primary SchoolからYear 7〜8のIntermediate Schoolまで
・入学時期
・学年
・学期
・学校での学び方
などをまとめます。
ニュージーランドの初等教育とは?
ニュージーランドの初等教育(Primary education)は、一般的にYear 1〜8までを指します。
日本の「小学校」に近いPrimary Schoolは、一般的にはYear 1〜6までです。
その後、Year 7〜8ではIntermediate Schoolへ進み、Year 9からSecondary Schoolへ進むという流れが一般的です。
つまり、まずは次のように考えると分かりやすいでしょう。
Year 1〜6 → Primary School
Year 7〜8 → Intermediate School
Year 9〜13 → Secondary School
ただし、すべての学校がこの形になっているわけではありません。
1. 一般的なPrimary School
都市部などでは、Year 1〜6をPrimary Schoolで学び、Year 7〜8の2年間をIntermediate Schoolで過ごす形が一般的です。
その後、Year 9からSecondary Schoolへ進みます。
2. Full Primary
学校によっては、Year 1〜8までを同じ学校で学ぶFull Primaryもあります。
この場合、Year 7〜8になっても学校を移ることはありません。
3. Composite School
Year 1〜13、またはYear 7〜13など、複数の学年を一つの学校で受け入れる学校もあります。
このように、Year 7〜8の過ごし方にはいくつかの形がありますが、Primary School=Year 1〜6という考え方が一般的です。
学年と年齢の目安
学年と年齢をまとめると次のようになります。
| 学年 | 年齢(目安) |
|---|---|
| Year 1 | 5〜6歳 |
| Year 2 | 6〜7歳 |
| Year 3 | 7〜8歳 |
| Year 4 | 8〜9歳 |
| Year 5 | 9〜10歳 |
| Year 6 | 10〜11歳 |
| Year7 | 11~12歳 |
| Year8 | 12~13歳 |
※年齢は誕生日や入学時期などによって異なります。
プライマリースクールでは何を学ぶ?
ニュージーランドの小学校は、単に知識を詰め込む場所ではありません。
読み書きや算数などの基礎学力だけでなく、子ども自身が考え、試し、周囲と協力しながら学ぶことも大切にされています。
例えば、算数の九九を日本のように丸暗記することはありません。
色々なアプローチで答えを導くことが重要視さるので、同じ2x5でも子どもによって考え方が違ったりします。
「教えてもらう」だけではない学び
低学年では、机に向かって先生の話を聞く授業だけではなく、遊びや体験を取り入れた活動も多く見られます。
子どもが興味を持ったことをきっかけに、「なぜ?」「どうして?」と考えたり、自分で試したりする探究的な学びにつなげていきます。
そのため、日本の小学校と比べると、特に低学年では「勉強している」という印象が少なく感じるかもしれません。
学力だけでなく、自主性も大切にする
ニュージーランドの教育では、読み書きや計算などの学力だけでなく、自分で考えて行動する力や、他者と協力する力、失敗しても挑戦する姿勢なども大切にされています。
運動やアート、音楽、さまざまな活動を通して、子どもが自分の興味や得意なことを見つけていくことも重視されています。
多様な文化を身近に感じる学校生活
ニュージーランドは多文化社会なので、学校にもさまざまな文化的背景を持つ子どもたちがいます。
息子のクラスにも、マオリを含むニュージーランド人だけでなく、アジア系、ヨーロッパ系、アイランダーと呼ばれるポリネシア系など、さまざまな背景を持つ子どもたちがいました。
また、先住民族であるマオリの文化や言語も、学校生活の中に深く取り入れられています。
学校でマオリ語の言葉を聞いたり、マオリの文化に触れたりすることも、ニュージーランドの学校生活の特徴の一つです。
その為、学校によってはマオリの儀式があらゆる場面でおこなわれたり、学校を「kura(クラ)」や生徒を「ākonga(アコンガ)」と呼んだりと、あらゆるところでマオリ語が使われたりいます。
ろは息子の通うプライマリーでは、学校からのお知らせ通知でも「kura(クラ)」や「ākonga(アコンガ)」という言葉が当たり前のように使われているので、最初は何のことかわからないこともよくありました。
4つのTermとスクールホリデー
ニュージーランドの学校年度は、通常2月頃から12月中旬までです。
4つのTermに分かれており、それぞれのTermの間にスクールホリデーがあります。年度末には、さらに長い夏休みがあります。
Termのサイクル
Term 1
年度は2月初旬に始まり、4月中旬のイースター休暇頃まで続きます。新しい学年のスタートであり、学業の基盤を築く期間です。
4月のスクールホリデー
Term 1とTerm 2の間には、通常2週間の短い休暇があります。
Term 2
4月下旬から始まり、7月初旬まで続きます。この学期には、King’s Birthdayの祝日が含まれます。
多くの場合、ニュージーランドでは冬の到来を感じ始める時期にあたります。
7月のスクールホリデー
Term 2とTerm 3の間には、再び2週間の休暇があります。
これは冬のホリデーとして知られています。
Term 3
7月下旬に始まり、9月下旬まで続きます。
この学期は、春の訪れとともに、学業が本格化する時期です。
9月/10月のスクールホリデー
Term 3とTerm 4の間にも、2週間の休暇があります。
一般的に「春休み」と呼ばれます。
Term 4
10月中旬に始まり、12月中旬まで続きます。この学期は年度の最終学期として、様々な学校行事やイベントが行われます。
サマースクールホリデー
年度の最後には、12月中旬から翌年の2月初旬まで、約6〜8週間にわたる長期の休暇があります。
これはサマースクールホリデーと呼ばれ、家族が旅行やレジャーを楽しむのに最適な時期です。
この長い休暇を終えて、新年度が始まります。
このように、約10週間のTermとスクールホリデーが交互に繰り返されます。
実際に子どもを通わせ始めると、「えっ、もうスクールホリデー?」と思うくらい、休みが多いと感じることもあります。
日本の学校生活に慣れていると、最初はこのサイクルにも少し驚くかもしれません。
ニュージーランドの小学校への入学時期
ニュージーランドでは、日本のように4月に一斉入学するのではなく、5歳の誕生日を基準に入学時期が決まります。
5歳から始まる学校生活
学校によって入学方法は異なりますが、5歳になった子どもが学校へ入学できる仕組みになっています。
従来は、5歳の誕生日を迎えた子どもがその後いつでも入学できるRolling Entry(ローリング・エントリー)が一般的でした。
現在は、これに加えてCohort Entry(コホート・エントリー)を採用する学校もあります。
Cohort Entryとは?
Cohort Entryは、5歳になった子どもを、学校が決めた特定の日にまとめて入学させる制度です。
1学期につき最大2回の入学日を設定でき、学校によって入学日や運用方法が異なります。
簡単に言えば、コホート・エントリーは、「5歳になったら、いつでも入学できる」という選択肢に加えて、「みんなと一緒に、決まった日から入学する」という柔軟な選択肢を学校が提供できるようにする制度です。
学校がCohort Entryを採用していない場合は、従来のRolling Entryのように、5歳になったタイミングで入学することができます。
そのため、実際の入学時期については、希望する学校に確認する必要があります。
また、学校によっては子どもと家族を歓迎するための儀式や集まりが入学の日や別の決められた日に行われます。
日本の入学式とはちょっと違いますが、ニュージーランドの学校におけるコホート・エントリーでは、マオリの儀式である、Mihi Whakatau(ミヒ・ファカタウ)が歓迎の儀式として採用されることもあります。
これにより、子どもたちや家族は、マオリの文化に触れながら、温かく迎えられることができます。
息子のかよう学校は、入学後に学校から、「来週は新入生を歓迎する儀式がありますよ」という旨のメールがあった程度だったので、生徒の行事のひとつだと思い、私たちは見に行きませんでした。
学校にもよると思いますが、息子が通う学校は、親が皆かけつけておこなわれるような式ではなかったようです。
Year 0とは?
ニュージーランドの小学校について調べていると、「Year 0」という言葉を目にすることがあります。
ただし、Year 0は全国共通の正式な学年名というより、学校や教育現場で使われる呼び方です。
Year 0が使われるケース
5歳になって年度の途中から学校へ入学した子どもについて、学校によってはYear 0という呼び方をすることがあります。
その後、新年度になるとYear 1として学ぶケースがあります。
ただし、Year 0の扱いや呼び方には学校による違いがあります。
そのため、「○月生まれなら必ずYear 0」というように、全国一律のルールとして考えない方が分かりやすいでしょう。
わが家も、息子の入学時期を調べる中で初めてYear 0という言葉を知りました。
Year 0については仕組みが少し複雑なので、詳しい内容は別記事でまとめています。


Year 7〜8のIntermediate School
Year 7〜8になると、一般的にはPrimary SchoolからIntermediate Schoolへ進みます。
Intermediate Schoolは、Year 7とYear 8の2年間を中心に学ぶ学校で、Primary SchoolとSecondary Schoolの間をつなぐ役割を持っています。
小学校から少しずつ自立した学びへ
Intermediate Schoolでは、Primary Schoolよりも専門的な教科や活動に触れる機会が増えていきます。
学校によっては、理科室や技術室、調理室、美術室、音楽室などの設備を使い、科学、デザイン・テクノロジー、音楽、アート、調理など、幅広い分野を体験します。
また、先生も教科ごとの専門性を持つようになり、Year 9から始まるSecondary Schoolでの学びに少しずつ近づいていきます。
学校によって学ぶ環境は異なる
全ての学校がIntermediate Schoolとよばれるわけではありません。
一般的な形としては、Year 1〜6をPrimary Schoolで学んだ後、Year 7〜8を独立したIntermediate Schoolで過ごします。
一方で、Year 1〜8を同じ学校で学ぶFull Primaryや、Year 1〜13などを一つの学校で学ぶComposite Schoolもあります。
そのため、Intermediateという「学年」の存在と、Intermediate Schoolという「学校の形」は分けて考えると分かりやすいでしょう。
英語サポート「ESOL」とは?
ニュージーランドの学校には、英語を母語としない子どもをサポートするESOL(English for Speakers of Other Languages)があります。
ESOLで受けられるサポート
ESOLでは、学校生活や授業を理解するために必要な英語を学びます。
子どもの英語力や学校の体制によって、少人数のグループ学習や個別のサポートなど、方法はさまざまです。
日常会話だけでなく、授業で使う語彙や読み書きなど、学校で学ぶための英語を身につけることも重要になります。
英語にまだ慣れていない子どもにとって、ESOLは学校生活に適応していくための大切なサポートの一つです。
わが子をPrimary Schoolに通わせて思うこと
わが家では、5歳ではなく6歳のTerm 1から学校へ入学しました。
4月生まれなので、本来であれば5歳からYear 1に入学する時期でしたが、家庭の事情もあり日本と韓国にいく必要があった時期でもあっため、義務教育開始前に帰国し、6歳からの入学を選択しました。
6歳からのYear 1でも気にならなかった
日本とは違い、ニュージーランドでは5歳でYear 1に入学する子どももいれば、6歳からYear 1を始める子どももいます。
実際に息子を6歳から入学させてみると、年齢の違いをそれほど気にすることはありませんでした。
ニュージーランドの社会自体に年齢を気にするような空気がないので、5歳でYear1 でも6歳でYear1でも気になることはありません。
実際に学校生活が始まってからも、年齢の違いを気にする場面はほとんどありませんでした。
家庭の事情や子どもの状況を考えながら入学時期を決められたことは、わが家にとっては良かったと感じています。
日本の小学校との違いを強く感じたこと
息子が学校に通い始めて、まず感じたのは、日本の小学校とはかなり雰囲気が違うということでした。
日本の学校のように、45分間ずっと机に向かって授業を受けるという授業形式ではありません。
特に低学年では、体を動かしたり、友達と活動したり、実際に何かを作ったりしながら学ぶ時間も多く、かなりのびのびしています。
一方で、自由な環境だからこそ、自分で集中して取り組む力などは、日本の同じ年齢の子どもと比べてどうなのだろうと感じることもあります。
ただ、今のところ息子が通っている低学年の学校生活については、のびのびと過ごせる良い環境だと感じています。
なにより、私が見る限りでは、学校ではほとんど遊んでいるようにしか見えません。
本人は否定していますが(笑)。
これから気になること
今のところ、息子はまだ低学年なので、この自由な学校環境を良いものとして受け止めています。
一方で、学年が上がって学習内容が難しくなったときに、学力面でどのように感じるのかは、これから見ていきたいところです。
先輩の移民の方からも、「学年が上がるにつれて、学力についての心配が出てくる」と聞いています。
今はまだ、学校生活を楽しみながら、さまざまな経験をしている段階。
これからYear 7、Year 8、そしてSecondary Schoolへ進んでいく中で、ニュージーランドの教育をどのように感じるようになるのか。
親としても、息子の成長とともに見ていきたいと思っています。
まとめ
ニュージーランドの初等教育は、日本の小学校とは仕組みも学校生活の雰囲気も少し違います。
一般的には、5歳からYear 1が始まり、Year 1〜6をPrimary School、Year 7〜8をIntermediate Schoolで学んだ後、Year 9からSecondary Schoolへ進みます。
ただし、Year 1〜8までを同じ学校で学ぶFull Primaryや、Year 1〜13などを一貫して学ぶComposite Schoolもあります。
また、5歳の誕生日を基準に入学時期が決まるため、日本の4月一斉入学とは大きく異なります。学校によってはCohort Entryを採用している場合もあります。
学校での学びも、読み書きや算数などの基礎学力だけではなく、探究心や自主性、協調性などを育てることが重視されています。
色々なことが一律で決まっているのではなく、わが子にあった選択ができることはとてもよいシステムだと思います。
また、小学校では思っていたよりも、スポーツなどの課外活動が充実しており、希望すれば色々なことに挑戦させてあげることもできます。
なにより、子どもがのびのびとしている姿を見ると、子どもにとってはとてもよい環境なのかなと感じます。
一方で、学力については少し不安も残ります。
その為、家庭でのフォローも大切になってくることでしょう。
ただそれも含めて、全てを学校に任せるのではなく、家族全員で関わっていくのがニュージーランの学校生活なのかなと思います。
ニュージーランドの教育が日本より優れている、あるいは日本の方が優れているということではありません。
それぞれに良さがあり、子どもの性格や家庭の考え方によって、合う環境も違うと思います。
実際に子どもを通わせてみると、制度を調べているだけでは分からなかったこともたくさんありました。
これからニュージーランドで子どもを学校に通わせる方にとって、制度だけでなく、実際の学校生活をイメージするための参考になればと思います。













コメント