海外育児でもここまで書ける|7歳の手紙が教えてくれた三言語育児のリアル

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海外で子育てをしていると、

「子どもの日本語はこのままで大丈夫なのか」

と不安に感じることはないでしょうか。

特に、現地の言語が強くなるにつれて、日本語を使う機会はどうしても限られていきます。

わが家でも、実際に2歳の頃に日本語を話さなくなりかけた時期がありました。

そんな中で続けてきた日本語との関わりのひとつの結果として、7歳11ヶ月になった今、息子は自分の言葉で手紙を書いてくれるようになりました。

日本語と英語を使いながら気持ちを伝えようとする姿を見て、これまでの積み重ねが少しずつ形になってきたのだと感じています。

初めは、3歳の頃にアルファベットで簡単なカードを書き始め、5歳になると自分の力で私たち両親に誕生日カードを書いてくれるようになりました。

そして6歳頃からは、母親には韓国語、父親である私には日本語というように、相手によって言語を使い分けて、楽しみながら手紙をよく書いてくれるようになっていきました。

この記事では、ニュージーランド在住の日韓家庭でトリリンガル育児を現在進行形でおこなっている筆者(父親)が、実際に7歳の息子が書いた手紙をもとに、

・どのくらい書けるようになるのか

・どうやってここまで来たのか

を、リアルな体験ベースでお伝えします。

目次

7歳の息子が書いた実際の手紙

これは実際に息子(7歳)が書いた手紙です。

今回の画像の2通の手紙の、1通は父親である私には日本語で、母親には韓国語で書かれている手紙、もう1通は私宛に日本語と英語がまざって書かれた手紙です。

相手によって使う言語を自然に使い分けている様子が見て取れます。

この手紙は、単なる成長の記録ではなく、わが家の言語環境の積み重ねがそのまま表れているものだと感じています。

手紙の中身を少しだけ解説

父親(筆者)への手紙には、日本語に加えて英語の単語も含まれています。

遠出するときに運転をしてくれていることや、一緒に日本語の勉強をしていること、そしてこの手紙を書いている時に、チキン料理を作っていた父親(筆者)への感謝の気持ちが書かれています。

もう1通は、英単語も交えて自分の気持ちを表現しています。

完璧な文章ではありませんが、自分の気持ちを言葉にして伝えようとしていることが伝わってきます。

また、母親への手紙でも同じように韓国語で、毎日美味しいお弁当を作ってくれてありがとう、家の中をいつも綺麗に掃除してくれてありがとう、という感謝の気持ちを書いており、それぞれの言語が生活の中で自然に使われていることが分かります。

なぜここまで書けるようになったのか

特別な教育をしてきたわけではありません。

ただ、日常の中で続けてきたことがあります。

日本語の絵本を習慣にした

最も効果の大きかったのは、日本語の絵本の読み聞かせです。

実際に、2歳の頃に日本語を話さなくなりかけた時期がありましたが、毎日の読み聞かせを続けたことで、少しずつ日本語を取り戻していきました。

重要だと感じたのは、「勉強」としてではなく、日常の中に自然に組み込むことです。

例えば寝る前の時間に読むことで、「日本語=楽しい時間」という形で定着していきました。

また、読み聞かせは単に言葉を覚えるだけでなく、

・登場人物の気持ちを考える

・親子で会話が生まれる

といった形で、「言葉を使う力」そのものにつながっていったと感じています。

実際に、絵本を読む中で「これどう思う?」「なんでこうなったんだろう?」といったやり取りが増え、少しずつ日本語で考えて話す場面が増えていきました。

そしてもうひとつ大きかったのは、「子どもの興味によって反応が全く違う」という点です。

同じように読んでいても、何度も読みたがる本と、全く興味を示さない本がはっきり分かれます。

逆に、一度は反応が薄かった本でも、年齢が上がると急にハマることもありました。

この経験から、「難しさ」よりも「興味」を優先して選ぶことが大切だと感じています。

わが家で特に反応がよく、会話が増えた絵本については、以下で詳しくまとめています。

こうした絵本の中でも、特に会話が広がりやすかったのがこちらのシリーズです。

・バムとケロのおかいもの(バムとケロシリーズ)

細かい描写が多く、「これ何してるの?」「なんでこうなったの?」といった会話が自然に生まれやすい絵本でした。

親子で会話を増やしたい方におすすめです。

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日本語で会話する時間を作った

日本語は、聞くだけでなく「実際に使う機会」がなければ定着しにくいと感じています。

そのため、わが家では父親である私が、日本語で話す役割を意識するようにしました。

もともと、家庭内で韓国語を使う場面が多く、私自身も会話に入るときに韓国語を使ってしまうことがありました。

その結果、息子も私に対して韓国語で返すことが増え、日本語を話す機会が少しずつ減っていきました。

そこで意識的に「日本語で話す」ように切り替えたところ、最初は韓国語で返ってくることも多かったものの、徐々に日本語で返す場面が増えていきました。

また、日本にいる祖父母とのLINEでの通話も、日本語を使う大切な機会になっています。

普段とは違う相手と日本語で話すことで、「日本語で伝える必要がある場面」が生まれ、自然と日本語に切り替わることが増えました。

特に祖父母とのやり取りを通して、日本語が「自分にとって必要な言語」であると感じるきっかけになっていたように思います。

すぐに大きな変化が出るわけではありませんが、こうした機会を積み重ねることで、少しずつ日本語を使う場面が増えていきました。

その中で意識していたのが、日常会話の中のやり取りです。

実際にわが家でよく使っているのは、特別な言葉ではなく、日常の中のシンプルなやり取りです。

例えば、

・「今日、楽しかったことは何?」

・「なんでそう思ったの?」

・「それってどういう意味?」

・「もう一回、日本語で言ってみて」

といった声かけを意識するだけでも、会話の量は大きく変わります。

また、

・「うれしかった?」

・「悔しかったね」

・「どうしたらよかったと思う?」

のように、気持ちに寄り添う言葉を日本語で伝えることで、感情とことばが結びつきやすくなります。

こうしたやり取りを繰り返す中で、日本語は「勉強」ではなく「使う言葉」として少しずつ定着していきました。

感情を日本語で伝えてきた

日常会話だけでなく、「感情」を日本語で表現することも意識してきました。

例えば、

・うれしい

・悔しい

・楽しい

・悲しい

といった言葉を、その場の状況に合わせて日本語で伝えるようにしています。

ポイントは、「その瞬間」に使うことです。

例えば、ゲームで勝って喜んでいるときに「うれしいね」と声をかけたり、うまくいかずに悔しがっているときに「悔しかったね」と言葉にしてあげることで、感情と言葉が自然に結びついていきます。

実際に、こうした声かけを続ける中で、息子自身も少しずつ日本語で気持ちを表現する場面が増えていきました。

最初は単語だけだったものが、「うれしかった」「ちょっと悔しい」といった形で広がっていったのを覚えています。

感情の言葉は記憶に残りやすく、単語として覚えるよりも自然に定着しやすいと感じています。

また、感情を表現できるようになることで、日本語での会話そのものも広がっていきました。

遊びの中で日本語を使った

しりとりや言葉遊びもよく取り入れていました。

特に、息子が自分で考えた「あ」や「さ」など、ひらがな表の中からランダムで選んだ文字から始まる単語を言い合う遊びは、語彙を増やす良いきっかけになりました。

また、カルタも楽しみながら日本語に触れられる方法のひとつです。

カルタは、文字と音を結びつけながら覚えられるので、小さい子どもでも自然に日本語に触れることができます。

例えば、わが家で使っていたのは

「あいうえおおばけだぞかるた」です。

あいうえおおばけだぞかるた

息子は絵本で見たことのあるタッチのイラストに気づいたことで興味を持ち、遊びながら語彙が増えていく感覚がありました。

いろいろなおばけがでてくるので、日常でも「○○おばけだっ」と息子といろいろなおばけを作って遊んだりすることにも発展しました。

無理にやらせなかった

意外かもしれませんが、「無理にやらせないこと」も大切にしてきました。

日本語を身につけてほしいという気持ちが強くなるほど、つい「やらせる」方向にいきがちですが、強制してしまうと日本語そのものに対してネガティブな印象を持ってしまう可能性があります。

実際に、子どもが気分が乗らないときに無理に日本語で話させようとすると、会話自体を避けるような反応になることもありました。

そのため、「今日はあまり気分じゃなさそうだな」と感じたときは、無理に続けず、タイミングを変えるようにしていました。

大切なのは、日本語を“勉強”としてではなく、“使う言葉”として自然に生活の中に置いておくことだと感じています。

ただ、「何もしない」ということではなく、子どもが自然に関われる形を用意しておくことは意識していました。

例えば、机に向かう勉強ではなく、遊びの中で日本語に触れられるものを取り入れることで、無理なく続けることができます。

少しずつ積み重ねてきた

いきなりここまで書けるようになったわけではありません。

振り返ってみると、本当に小さな積み重ねの連続でした。

3歳の頃には、アルファベットで簡単なカードを書き、横でひらがなを教えながら一緒に書いたこともありました。

5歳になると、自分で誕生日カードを書いてくれるようになり、少しずつ「自分で書く」という意識が出てきました。

そして6歳頃からは、母親には韓国語、父親である私には日本語というように、相手によって言語を使い分けてよく手紙を書くようになっていきました。

その時その時では大きな変化に見えなくても、振り返ってみると確実に積み重なっていたことが分かります。

今回の手紙も、そうした日々の延長線上にあるものだと感じています。

そして、この積み重ねの中で感じたのは、「勉強させる」よりも「自然に使う機会を増やす」方が結果的に伸びやすいということでした。

日本語維持のためにやってきたことについては、こちらの記事でもまとめています。

実際に役立ったもの

日本語に触れるきっかけとして、特に効果を感じたのは絵本です。

読み聞かせを続ける中で、語彙だけでなく「自分の気持ちを言葉にする力」も少しずつ育っていったと感じています。

実際に、同じ本を何度も読み返す中で、言い回しを真似したり、登場人物の気持ちを自分なりに表現する場面も増えていきました。

そうした中で、特に反応が良く、繰り返し読むことが多かった絵本をいくつか紹介します。

バムとケロシリーズ

細かい描写が多く、「どう思う?」といった会話が自然と増えました。

結果として、言葉で考える力につながったと感じています。

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パンどろぼうシリーズ

テンポがよく、子どもが何度も読みたがることで、日本語に触れる時間が自然に増えました。

まずは楽しさを優先したい場合におすすめです

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14ひきのさむいふゆ(14ひきシリーズ)

年齢とともに理解が深まり、長く使える絵本として役立っています。

長く使える1冊を探している方におすすめです

これらの絵本は、単に言葉を覚えるためのものではなく、子どもが「自分の気持ちをどう表現するか」を自然に学ぶきっかけになっていたと感じています。

すべてを揃える必要はありませんが、まずは子どもが興味を持てそうな1冊から取り入れてみるのがおすすめです。

続けて感じたこと

海外で子育てをしていると、日本語はどうしても優先順位が下がりがちです。

実際にわが家でも、幼い頃は韓国語の割合が最も高く、日本語は意識しなければどんどん使う機会が減っていく状況でした。

また、ニュージーランドでの生活が長くなるにつれて、英語の影響も徐々に強くなっていきます。

そうした環境の中で感じたのは、日本語は「自然に伸びるものではない」ということでした。

使う機会がなければ、理解はしていてもアウトプットは確実に減っていきます。

一方で、無理にやらせても続かないという現実もあります。

だからこそ、「どう関わるか」がとても重要だと感じています。

わが家の場合は、

・絵本の読み聞かせ

・日常会話

・遊びの中での言葉

といった、特別ではないけれど続けられる形を積み重ねてきました。

その結果として、まもなく8歳を迎える今、自分の気持ちを日本語で書いて伝えられるようになってきたのだと思います。

もうひとつ感じているのは、「言語は分けて育つ」ということです。

息子は、母親には韓国語、父親には日本語というように、相手によって自然に使う言語を変えています。

さらに、学校生活の中では英語も使っており、それぞれの言語が役割を持ちながら共存している状態です。

このように、すべての言語が同じバランスで伸びるわけではありませんが、それぞれの環境の中で必要な形で育っていくのだと感じています。

まとめ

海外で育つ子どもの日本語については、不安を感じる方も多いと思います。

実際に、わが家でも2歳の頃に日本語を話さなくなりかけた時期があり、「このまま日本語はなくなってしまうのではないか」と感じたこともありました。

しかし、その後の関わり方次第で、日本語は再び伸びていくことを実感しています。

今回紹介した手紙は、そのひとつの結果です。

もちろん、特別な方法をしてきたわけではありません。

大切なのは、

・日常の中で日本語に触れる機会を作ること

・無理をさせず、続けられる形にすること

・小さな積み重ねを大切にすること

この3つだと感じています。

そして何より、「使う言語としての日本語」を意識することが重要です。

勉強としてではなく、気持ちを伝えるための言葉として使うことで、日本語は自然と生活の中に残っていきます。

海外にいるからこそ難しさはありますが、その分、親の関わり方が結果に大きく影響します。

この記事が、これから日本語をどう育てていくかを考えるひとつの参考になれば幸いです。

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