海外で子育てをしていると、日本語の絵本選びに悩むことはありませんか?
・どんな絵本を選べばいいのかわからない
・日本語の本を読ませたいが興味を持たない
・英語の本ばかりになってしまう
わが家でも、英語環境の中で日本語をどう維持するかを考える中で、絵本の選び方は大きなテーマになっています。
さらに、わが家は日本語・韓国語・英語の3言語環境のため、どの言語をどのように伸ばすか常に試行錯誤しています。
この記事では、ニュージーランド在住の日韓家庭でトリリンガル育児を現在進行形でおこなっている筆者(父親)が、実際に絵本を息子と読んで感じたことをもとに、海外での日本語絵本の選び方とおすすめを紹介します。
なぜ海外では日本語の絵本が重要なのか
海外では、子どもの生活の大半が英語になります。
学校や友達との会話はもちろん、テレビや動画なども英語が中心になるため、日本語に触れる時間は意識しなければどんどん減っていきます。
家庭で日本語を話していても、会話だけでは語彙や表現には限界があります。
その中で、日本語の絵本は自然な言葉や表現をインプットできる貴重な手段になります。
実際にわが家では、息子が2歳を前にしたころ、私が日本語で話しかけても日本語で反応しない時期がありました。
その時に、おこなったのが毎日の絵本の読み聞かせでした。

絵本のもつ日本語のリズム感や、ストーリー、かわいいキャラクターなどに興味を持ってくれて、もっと読んでと反応するようになりました。
これは日本語に興味を持ち始めたチャンスだと思い、毎日続けることで次第に息子が再び日本語で反応してくれるようになりました。
こうして絵本のおかげで、息子は再び日本語で反応してくれるようになりました。
日本語の絵本を読むということは、本当に意味があり重要なことだとわが家は経験しました。
もちろん息子が7歳11ヶ月の現在も、毎日ではなくなりましたが、絵本の読み聞かせは続けています。
海外では、何もしなければ日本語に触れる時間は確実に減っていきます。
絵本の読み聞かせは、親子でコミュニケーションをとりながら楽しく続けられる日本語の時間となります。


我が家の絵本環境
わが家では、ニュージーランドで知り合った知人の日本人家庭から、200冊近い日本語の絵本を譲っていただく機会がありました。
そのご家庭も国際結婚で、お子さんはバイリンガルです。
実際にその環境で使われていた絵本を読むことができたため、「どのような本が長く読まれるのか」「どの本に反応が良いのか」を実体験として知ることができました。
また、日本から送ってもらった絵本の中には、元保育士である母が選んだものもあります。
読んでみると、子どもが興味を持ちやすい内容や、繰り返し読みたくなる構成のものが多く、選び方の視点として参考になると感じています。
さらに、別のご家庭から譲っていただいた本の中には、「かがくのとも」のような考えるタイプの絵本も多く含まれていました。
一見すると少し古く感じるものもありましたが、テーマ自体は普遍的で、子どもは5歳頃から自然と手に取るようになりました。
現在は、その中から子どもの反応を見ながら、繰り返し読む本を選んでいます。
実際に読んでいく中で感じたのは、すべての絵本が同じように読まれるわけではないということです。
何度も繰り返し読まれる本もあれば、ほとんど手に取られない本もあります。
その違いは、内容の難しさだけでなく、子どもの興味やタイミングにも大きく左右されると感じています。
海外での日本語絵本の選び方
① レベルが合っていること
子どもにとって難しすぎる本は、内容が理解できず興味を失いやすくなります。
逆に簡単すぎるとすぐに飽きてしまうため、「少し頑張れば理解できるレベル」が理想だと感じています。
② 興味がある内容
どんなに良い絵本でも、子どもが興味を持たなければ読まれません。
乗り物や動物など、その時期に好きなテーマを選ぶことで、自然と読む回数が増えます。
③ 繰り返し読める
繰り返し読むことで、同じ表現や言葉が定着しやすくなります。
わが家では実際に、何度も読んだ本のフレーズを日常会話で使う場面も見られました。
④ 親が続けられる
海外での子育てでは、親も忙しく、毎日しっかり読むのは簡単ではありません。
そのため、「無理なく続けられる本かどうか」も重要なポイントだと感じています。
実際に読んで反応がよかった絵本 10選
バムとケロシリーズ

子どもだけでなく、大人も一緒に楽しめる絵本で、わが家では何度も繰り返し読んでいるシリーズです。
最初は細かい描写までは気にしていなかったのですが、読む回数が増えるにつれて息子は常に新しい発見をし、親子の会話も増え自然と読む回数が増えていきました。
「にちようび」から始まり「もくようび」までしかないのが少し残念ですが、息子はこのシリーズのおかげで日本語で曜日をいえるようになりました。
また、タイトルと一緒に作者のお名前の「島田ゆか」までまで読んでいたので、息子が最初に覚えた漢字は「島田」です(笑)。
何回読んだかわからないほど何度も読んだシリーズですが、なかでもすいようびにあたる「バムとケロのおかいもの」は特にお気に入りでした。
ケロちゃんのおなかがぎゅるるるるるるる
というフレーズがお気に入りで、自分もお腹が空くと
息子くんぎゅるるるるになってきた
とよく言っていました。
この絵本は、今でもまだまだわが家ではよく読んでいる絵本です。
このシリーズは「長く楽しめる絵本」を探している方に本当におすすめです。
パンどろぼうシリーズ


日本から送ってもらった絵本の中でも、特に子どもの反応が良かったシリーズです。
パンが大好きな息子は、最初はそのタイトルと表紙のインパクトに惹かれて手に取ったのですが、読み聞かせてみるとテンポの良い展開とユーモアのある内容で、すぐにお気に入りになりました。
わが家では最初の1冊が「パンどろぼうとほっかほっカー」でシリーズの最初から読んだわけではなかったのですが、どこから読んでも面白く、子どもが楽しく口にするフレーズなどがでくるので、よくまねをして口にしていました。
ストーリーの面白さだけでなく、言葉のリズムも良く、自然と記憶に残りやすい絵本だと感じています。
また、親目線でも楽しめる内容なので、「読み聞かせが苦にならない」という点も大きなポイントでした。
息子はおばあちゃんにおねだりして、あっという間にシリーズ全てを揃えてしまいました。
3さいのおはなし(げんきがでるお話)


3歳の頃に特によく読んでいた1冊で、わが家ではバムとケロシリーズと並ぶほど繰り返し読みました。
適度に短いお話がいくつもあるので、3歳の子どもが1つのおなはしを集中して聞くにはちょうどよい長さでした。
そのちょうどよい長さのおかげで、私が本のフレーズを少し口にすると、子どもがその続きを自然に暗唱するようになっていました。
それだけ繰り返し読んでいたということでもあり、日本語の表現がしっかり身についていると感じた瞬間でもありました。
「繰り返し読むことで自然に言葉が身につくタイプの絵本」だと感じています。
14ひきのさむいふゆ(14ひきのシリーズ)


派手さのある絵本ではありませんが、読んでいくうちにじわじわと良さを感じる1冊でした。
実はこの本、最初はあまり手に取ることがなく、私自身も存在を忘れていたほどでした。
しかし6歳頃になってから、子どもが急にこの14ひきのシリーズを持ち出すようになり、自分で読んだり、「読んで」と何度も持ってくるようになりました。
その中でも特に印象に残っているのが、この「さむいふゆ」です。
細かい絵の中にたくさんの発見があり、「ここに〇〇がいる」といったやり取りが自然と増えていきました。
この絵本はストーリーを追うというよりも、絵の中にある小さな出来事を一つひとつ見つけていく楽しさがあり、自然と観察力や語彙が増えていくように感じます。
また、家族でのやり取りや自然の中での生活が丁寧に描かれているため、落ち着いた時間の中で日本語に触れられる点も魅力です。
すぐにハマるタイプではないですが、「成長とともに良さが分かる絵本」だと感じています。
くまたくんシリーズ


小さい頃によく読んでいたシリーズで、やさしい内容が特徴の絵本です。
特に印象に残っているのは、幼稚園に通い始めた頃、朝「行きたくない」と言う日には、このシリーズを何冊か読んでから登園するのが日課になっていたことです。
ストーリーがシンプルで分かりやすく、子どもの気持ちに寄り添うような内容だったため、安心して読める存在だったのだと思います。
派手さはありませんが、幼い時期にはちょうど良い絵本だと感じました。
こぐまちゃんシリーズ


こちらも小さい頃によく読んでいた定番シリーズで、シンプルで分かりやすいストーリーが特徴の絵本です。
なかでも「しろくまちゃんのほっとけーき」は印象的で、子どもが自分で朗読を始めた最初の1冊でした。
まだ文字をすべて理解しているわけではない段階でも、繰り返し読む中で自然と覚え、声に出して読もうとする姿が見られたのが印象に残っています。
また、家で一緒にお菓子作りをする機会もあったため、絵本の中の描写と実体験が結びつき、より楽しんでいるように感じました。
「生活と結びつくことで、自然に日本語が身につくタイプの絵本」だと感じています。
わんぱくだんのかくれんぼ


仕掛け要素が楽しく、子どもが何度も繰り返し読んでいた1冊です。
この絵本を通して「かくれんぼ」という遊びを覚え、実際の遊びにもつながっていきました。
また、絵本に描かれている日本の公園や風景をきっかけに、「日本ではこういう場所で遊ぶんだよ」といった会話に発展することもありました。
ニュージーランドの自然豊かな環境との違いを話すきっかけにもなり、言語だけでなく文化的な理解にもつながっていると感じます。
「遊び・言葉・文化が自然につながる絵本」だと感じました。
番ねずみのヤカちゃん


比較的文字が多い本ですが、4歳頃からよく持ってくるようになった1冊です。
最初は「まだ早いのでは」と感じていましたが、内容よりもキャラクターの個性や展開の面白さに惹かれていたようです。
特にヤカちゃんの大きな声のシーンでは、こちらが少し大げさに演技して読むと大喜びしており、読み聞かせの楽しさを実感した本でもあります。
文字量が多くても、「楽しい」という感情があればしっかり聞いてくれることを感じました。
「少し難しくても、“楽しい”があれば子どもはついてくる」と感じた1冊です。
のりものいっぱい!どこにいくの?


車が好きな子どもにぴったりの1冊で、わが家では特にお気に入りだった絵本です。
もともとは車好きの息子のために、日本にいる祖母が送ってくれた本でした。
ストーリーは車で移動しながら展開していく内容で、乗り物が好きな子どもにとっては自然と引き込まれる構成になっています。
さらに、絵に描かれている車もよく見ると実際の車種に似せて描かれており、「これはデミオだね」といったように、車の名前を教えながら読むこともできました。
その結果、日本でよく見かける車種を自然と覚えていき、言葉だけでなく知識としても広がりを感じた1冊です。
仕掛けの要素もあり、飽きずに何度も楽しめる点も魅力でした。
「子どもの“好き”をきっかけに、日本語と知識が広がる絵本」だと感じています。
はたらきもののじょせつしゃ けいてぃ


働く車が好きな子どもにとって、とても印象に残る1冊でした。
この本は、たくさんの絵本を譲っていただいたバイリンガル家庭の方から、2度目に本をいただいた際に含まれていたものです。
ちょうど5歳になる頃に読み始めたのですが、まず除雪車のイラストに強く興味を持ち、そのままストーリーにも引き込まれていきました。
一時期は毎晩寝る前に読むほど気に入っており、内容もしっかり理解しながら楽しんでいる様子が印象的でした。
乗り物の魅力だけでなく、「働くこと」や「役割」といったテーマにも自然と触れられる点が、この絵本の良さだと感じます。
「好きなものを入り口に、少し長めの物語にも入っていける1冊」だと感じました。
正直あまりハマらなかった本
実際に多くの絵本を読んでいく中で、すべての本が同じように読まれるわけではないと感じました。
何度も繰り返し読む本がある一方で、ほとんど手に取られない本もあります。
その理由は「良い・悪い」ではなく、その時の子どもの興味や発達段階との相性によるものが大きいと感じています。
例えば、内容が少し難しかったり、テーマにあまり関心がなかったりすると、自然と読む回数は減っていきます。
逆に、あとになってから急に興味を持つこともあり、「今は合わないだけ」というケースも多いと感じました。
また特に原作が外国の絵本では親が読むと、どういうこと?と思うような内容のものもよくありますが、子どもは気に入って何度も「読んで」と持ってきたりもします。
このような体験から絵本選びで大切なのは、“評価”よりも“その子に合っているかどうか”だと実感しています。
まとめ
海外で子どもに日本語の絵本を読ませる中で感じたのは、「良い絵本=すべての子に合う絵本ではない」ということです。
実際に200冊以上の絵本に触れてきた中でも、何度も繰り返し読まれる本と、ほとんど手に取られない本がはっきり分かれました。
その違いは、内容の良し悪しではなく、子どもの興味や年齢、その時のタイミングによるものが大きいと感じています。
また、成長とともに好みも変化し、
・小さい頃はシンプルで分かりやすい絵本
・少し大きくなると物語性のある絵本
・さらに成長すると考えるタイプの本
というように、自然と求めるものが変わっていきました。
そのため、絵本選びで大切なのは「人気」や「評価」だけで判断するのではなく、
「今の子どもに合っているかどうか」
を基準にすることだと感じています。
海外では、日本語に触れる機会は意識しないと確実に減っていきます。
だからこそ、無理に勉強として与えるのではなく、子どもが「楽しい」と感じられる形で日本語に触れることが大切だと思います。
今回紹介した絵本は、実際にわが家で繰り返し読まれてきたものです。
気になるものがあれば、まずは1冊からでも取り入れてみてください。
その1冊が、日本語とのつながりを広げるきっかけになるかもしれません。
迷った場合は、まずは特に反応のよかった「バムとケロシリーズ」からがすすめです。










コメント